フェーズフリーとは|メリット・デメリットとアイデア事例を解説

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Category: 住宅業界動向

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災害への備えとして注目されている「フェーズフリー」。日常時と非常時を分けず、普段使っているモノやサービスを災害時にも活用する考え方です。防災用品を特別にそろえるだけでなく、日々の暮らしに防災の視点を取り入れることで、無理なく備えを充実させられます。

一方で、導入費用や災害時の使用条件など、知っておきたい注意点もあります。本記事では、フェーズフリーの意味や認証制度、メリット・デメリットに加え、住宅に取り入れられるアイデア事例を紹介します。

フェーズフリーとは|簡単に解説

「フェーズフリー」とは、日常時と災害時などの非常時を分けず、普段の暮らしの中で使っているモノやサービスを、災害時にも役立てるという考え方です。例えば普段使いのアウトドア用品を避難生活に活用したり、日常的に利用する施設を災害時の拠点として活用したりすることが挙げられます。

特別な防災用品を備えるだけでなく、いつもの暮らしに防災の視点を取り入れられる点が特徴です。

フェーズフリー認証とは

出典:一般社団法人フェーズフリー協会,フェーズフリー認証,https://cf.phasefree.net/,参照日2026.11.5

フェーズフリー認証とは、商品やサービスが日常時と非常時の両方で価値を発揮できることを、一般社団法人フェーズフリー協会が審査・認証する制度です。

認証を取得すると、対象の商品やサービスに「フェーズフリー認証マーク(PF認証マーク)」を表示でき、日常生活での利便性だけでなく、災害時にも役立つという価値を伝えやすくなります。審査では、フェーズフリーの5つの原則に基づいて、提出された資料から商品やサービスの特性を評価しています。

フェーズフリーの5原則

出典:一般社団法人フェーズフリー協会,フェーズフリー認証,https://cf.phasefree.net/,参照日2026.11.5

常活性

常活性とは、日常時だけでなく、災害時などの非常時にも利用できることを指します。普段の生活で使っている商品やサービスが、環境や状況が変わっても役立つことが重要です。

例えば普段はスマートフォンなどの充電に使い、停電時には非常用電源として活用できる機器が挙げられます。特別な防災用品を用意するだけでなく、日常的に使うものが非常時にも機能することで、いざというときの備えにつながります。

日常性

日常性とは、普段の暮らしの中で無理なく使え、日常生活になじむことを指します。非常時に役立つ機能があっても、普段は使いにくかったり、保管したままになったりするものでは、十分に活用できない可能性があります。そのため使いやすさやデザイン、日常生活での利便性も大切な要素です。

直感性

直感性とは、使い方や使用できる範囲がわかりやすく、必要なときに迷わず利用できることを指します。災害時は停電や混乱などによって、普段よりも落ち着いて行動することが難しくなる場合があります。そのため複雑な説明書を読まなくても操作方法が理解できることや、使用できる機能がひと目でわかることが重要です。

触発性

触発性とは、商品やサービスを通じて、防災への気づきや意識を生み出し、災害時の行動を考えるきっかけになることを指します。日常生活で使うものに防災の視点が取り入れられていると、普段は意識する機会が少ない災害への備えについて、自然に考えられるようになります。

普及性

普及性とは、多くの人が参加でき、フェーズフリーの考え方や取り組みを広げられることを指します。防災は一部の人だけが取り組むものではなく、家庭や職場、地域社会など、さまざまな場所で実践することが重要です。そのため、特別な知識や大きな負担がなくても取り入れやすく、多くの人が利用できることが求められます。

フェーズフリーのメリット

ここでは、フェーズフリーのメリットについて解説します。

災害時の対応力が上がる

フェーズフリーを取り入れると、日常的に使っているモノやサービスを災害時にも活用できるため、非常時の対応力を高められます。例えば、普段から使い慣れたアウトドア用品を避難生活に役立てたり、日常使いのモバイルバッテリーを停電時の電源として活用したりする方法があります。

使い方を事前に把握できていることで、災害時にも落ち着いて行動しやすくなります。特別な備えに頼るだけでなく、普段の暮らしの中で防災力を高められる点がメリットです。

備蓄品の無駄を軽減できる

フェーズフリーでは、日常生活で使うものを非常時にも活用するため、防災用品を備蓄したまま使わずに終わるといった無駄を軽減できます。例えば、普段から食べている食品を多めに購入し、食べた分を買い足すローリングストックを取り入れれば、食品の賞味期限切れを防ぎやすくなります。

また日常的に使用する衛生用品や電池なども、使いながら必要な量を確保できます。普段の買い物や消費の延長で備えられるため、無理なく防災対策を続けやすくなります。

保管スペースを削減できる

フェーズフリーを取り入れると、日常用と非常用で同じ役割を果たすものを活用できるため、防災用品専用の保管スペースを抑えやすくなります。例えば、普段から使う懐中電灯やモバイルバッテリー、アウトドア用品などを非常時にも利用すれば、用途ごとに別々の製品をそろえる必要性を減らせます。

収納スペースが限られている住宅でも、防災用品を取り入れやすくなる点がメリットです。ただし災害時に必要な量や機能を満たせるよう、日常使用による不足や充電切れには注意しましょう。

フェーズフリーのデメリット・注意点

ここでは、フェーズフリーのデメリットや注意点について解説します。

導入に費用がかかる

フェーズフリーを取り入れる際には、日常時と非常時の両方で使える商品や設備を購入するため、導入費用がかかる場合があります。例えば、停電時にも使える高機能な電源設備や、災害時の利用を想定した家具などは、一般的な製品よりも価格が高くなることがあります。

また既存の設備をフェーズフリーに対応させる場合、改修費用が発生する可能性もあります。費用を抑えるには、すべてを一度にそろえるのではなく、普段から使える身近なものを活用し、必要性や予算に応じて段階的に取り入れることが大切です。

災害の種類や状況によって使えない場合がある

フェーズフリーの商品やサービスは、日常時と非常時の両方で活用できることが特徴ですが、あらゆる災害や状況に対応できるわけではありません。

具体的には屋外で使用することを想定した製品でも、豪雨や強風などの影響で使えなくなる場合があります。また停電時に利用できる機器であっても、電池切れや燃料不足によって機能しなくなる可能性があります。

そのため導入する際は対応できる災害の種類や使用条件を確認し、想定する被害や利用環境に合ったものを選ぶことが重要です。

フェーズフリーだけでは十分な防災対策にならない

災害の規模や被害状況によっては、日常使いの商品だけでは対応できず、専用の防災用品や備蓄が必要になる場合があります。そのため飲料水や非常食、常備薬、携帯トイレなどは、災害時に必要な量を確保しておくことが大切です。

また、ハザードマップの確認や避難場所・避難経路の把握も欠かせません。フェーズフリーを基本としながら、不足する備えを補い、総合的な防災対策を進めましょう。

住宅におけるフェーズフリーのアイデア事例

ここでは、住宅におけるフェーズフリーのアイデア事例を解説します。

ファミリーパントリーを設ける

ファミリーパントリーは、食品や飲料、日用品などをまとめて保管できる収納スペースです。普段使いの食品や飲料を多めにストックしておけば、災害時にも備蓄品として活用できます。日常的に消費した分を買い足すローリングストックを取り入れることで、賞味期限切れを防ぎながら必要な量を確保しやすくなります。

また家族が在庫を把握しやすいように整理しておけば、買い忘れや買いすぎの防止にもつながります。新築やリフォームの際には、日常の使いやすさと非常時の備蓄量を考慮して、収納場所や広さを計画することが大切です。

造作家具を導入する

造作家具は、住まいの間取りや用途に合わせて設計・製作する家具です。収納や作業スペースとして普段から活用できるだけでなく、災害時にも役立つよう工夫することで、住宅のフェーズフリー化につながります。

例えば食料や防災用品を収納できるベンチや、避難時に必要なものを取り出しやすい収納棚などが考えられます。また家具の転倒を防ぐ固定方法や、避難経路をふさがない配置にも配慮すると安心です。日常の利便性と非常時の使いやすさを両立できるよう、設計段階から用途を検討しておきましょう。

太陽光発電・蓄電池を設置する

住宅に太陽光発電システムや蓄電池を設置すると、日常の電力をまかないながら、停電時にも電気を利用できる可能性があります。太陽光発電は、日中に発電した電気を家庭で使ったり、余った電気を蓄電池にためて夜間に利用したりできる点が特徴です。

災害による停電時には、照明やスマートフォンの充電、冷蔵庫などに電力を供給する備えになります。ただし、停電時に使用できる範囲は機器の仕様や蓄電量、天候などによって異なります。導入時には、非常時に使いたい機器や必要な電力量を考慮して選ぶことが重要です。

まとめ

フェーズフリーは、日常生活で使うモノやサービスを非常時にも活用し、普段の暮らしの中で防災力を高める考え方です。備蓄品の無駄や保管スペースを抑えやすい一方、導入費用がかかる場合や、災害の状況によって使えない場合もあるため、専用の防災用品や備蓄と組み合わせることが大切です。

住宅では、ファミリーパントリーや造作家具、太陽光発電・蓄電池などを活用する方法があります。日常の快適さと非常時の備えを両立できるよう、できることから取り入れてみましょう。

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