パナソニックホームズ、全館空調エアロハスに床下除湿ユニット搭載の新商品を10月発売

パナソニックホームズは、全館空調システム「エアロハス」に床下除湿ユニットを新たに組み込み、これを採用した戸建住宅商品「NEWカサートX」「NEWフォルティナX」を2026年10月1日に発売すると発表しました。
あわせて9月1日からは先行モニターキャンペーンも実施します。年々厳しさを増す夏場の湿気に悩まされてきた住まいに、機械の力で快適さを補う新たな選択肢が加わることになります。
気候変動を見据えた住まいづくり
「エアロハス」は2017年の発売以来、家全体の温度差を抑える空調システムとして支持を広げ、累計出荷は約8,000棟に達しています。同社の新築戸建て住宅における採用率は2020年度の26%から2025年度には52%まで伸び、いまや新築の約半数が選ぶ選択肢になりつつあります。
同社は創業以来「空気質」を住まいの重要な価値と位置づけ、地熱を使った換気や珪藻土による調湿など、自然の力を生かした技術を積み重ねてきました。今回の新商品は、こうした実績を持つシステムに機械式の除湿機能を上乗せする形で誕生しました。
共同研究で見えた湿度対策の課題
開発の背景には、芝浦工業大学との共同研究があります。国内最大規模の人工気象室にある実大住宅を使い、約60年後を想定した気候条件で検証したところ、「エアロハス」採用住宅では夏場でも室温は快適に保てる一方、湿度面ではさらなる工夫や消費エネルギーの効率化が求められるという結果が示されました。
この知見をもとに、自然の力だけに頼らず、機械式の除湿を組み合わせる方向性が定まったといいます。今後さらに厳しくなるとみられる気候条件にも対応できる住まいづくりを見据えた判断といえます。
床下で湿気を先取りする新機構
新たに搭載される床下除湿ユニットは、床下の換気給気部分に設置され、外気の温度と湿度をセンサーで検知します。湿気の多い外気を室内へ取り込む前に床下であらかじめ除湿し、その空気を空調ユニットが専用エアコンと搬送ファンによって家全体へ届ける仕組みです。
人が快適と感じる湿度帯とされる相対湿度40~60%RHに近づけることを狙っており、静電HEPAフィルターによって微粒子も捕集します。浴室やトイレなど一部の空間を除き、家全体に空気を行き渡らせる設計です。
湿度を最大15%抑える効果
梅雨を含む7月の試算では、床下除湿ユニットの働きにより家じゅうの湿度を10~15%程度抑えられる結果が出ています。この試算は冷房機器による除湿効果を含まないため、実際に冷房を運転すればさらなる湿度低減も見込めます。
じめじめした季節でも過ごしやすい室内環境をつくるとともに、カビやダニが繁殖しにくくなる点も見逃せない利点です。じめじめ感を我慢しがちだった梅雨時の暮らしにも変化をもたらしそうです。
地熱を利用し温度上昇を緩和
除湿の過程では水蒸気が水滴に変わる際に凝縮熱が生じ、空気の温度が上がってしまう課題があります。同社はこの熱を床下の地盤が持つ地熱によって和らげる工夫を取り入れました。
完全に相殺するわけではないものの、自然のしくみを活用することで無駄なエネルギー消費を抑え、外気条件が厳しい時期でも効率よく除湿を続けられる設計になっています。機械任せにしすぎない点に、同社らしいものづくりの姿勢がうかがえます。
自動運転で日々の手間を削減
床下除湿ユニットはセンサーが湿気の多さを判断すると自動で運転を始めるため、居住者が細かく操作する必要はありません。除湿によって生じた水はドレン配管を通じて自動的に排水され、たまった水を処理する手間もかかりません。
あらかじめ湿度を下げた空気を送り込む仕組みのため、空調ユニット側にかかる除湿の負荷も軽くなり、システム全体の効率化にもつながります。日々の手入れに気を取られず、快適さを維持しやすい点も魅力です。
対応地域と今後の広がり
床下除湿ユニットを搭載した「エアロハス」は、省エネ基準地域区分の5・6・7地域では標準採用となり、4地域ではオプションとして選べます。
快適な室温に加えて湿度まで管理することで、家族が世代を越えて長く心地よく暮らせる住まいを目指す取り組みといえそうです。今後の気候変化を見据えた住宅づくりの方向性を示す発表といえるでしょう。
出典情報など
出典:パナソニックホームズ株式会社,高温多湿化や将来の気候変動に備えて「除湿機能」を強化 全館空調『エアロハス』に床下除湿ユニットを搭載した 戸建住宅新商品を発売,https://homes.panasonic.com/company/news/release/2026/0831.html,リリース日:2026-08-31