パナソニックホームズ、地盤災害リスクを図解で伝える地盤考察書の運用を開始

パナソニック ホームズ株式会社は2026年8月、住宅を建てる顧客に対して土地の地盤リスクをわかりやすく説明する『地盤考察書』の運用を開始しました。液状化などの被害が起こった際の危険性や、必要となる対策工事の内容と費用、その根拠までを一つの資料にまとめ、家づくりの判断材料として役立ててもらう狙いです。
相次ぐ地盤災害への不安
大きな地震が起きるたびに、液状化をはじめとした地盤災害によって住み続けることが難しくなる住宅が目立つようになりました。こうした被害は地域を問わず発生しており、住宅を新たに建てようとする人にとって他人事とは言えない状況が続いています。
建物そのものが無事でも、地盤が損なわれれば生活の再建には長い時間がかかるため、事前の理解がいっそう重要になっています。
担当者ごとに生じていた説明の差
こうした背景から、住宅を供給する企業側には、土地に潜むリスクをあらかじめ丁寧に伝える姿勢が強く求められています。
同社でもこれまで地盤調査の結果を顧客に説明してきましたが、伝え方や詳しさは担当者ごとに違いが出やすいという課題を抱えていました。専門知識が必要な内容だけに、担当者の経験値によって顧客の理解度に差が生じることも少なくなかったといいます。
指針改定と利用者の声が後押し
2025年12月には、日本建築学会の「小規模建築物基礎設計指針」が東日本大震災での液状化被害を踏まえて見直されました。地盤調査結果を正しく評価することや、建築主へのリスク説明の大切さがあらためて盛り込まれ、今回の改定で初めて「建築主とのリスクコミュニケーション」という項目が加えられています。
顧客アンケートが示した関心の高さ
同社が実施した調査でも、住宅の購入を考える人や購入した人の多くが地盤リスクを気にかけながらも、内容を理解して判断することの難しさを感じている実態が浮かび上がりました。
調査は購入検討者583名、購入者605名を対象に実施され、制度と利用者の意識、双方の変化が今回の取り組みを後押しした形です。
年間約4,000棟に共通フォーマットを適用
新たに導入された『地盤考察書』は、同社が手がける全ての建築物件、年間およそ4,000棟を対象に、地盤調査とその判定結果をもとに共通の様式で自動出力される仕組みです。
専門用語が多く理解しにくい内容も、図やわかりやすい言葉に置き換えて説明することで、担当者による差をなくし、誰に対しても均質な情報提供を目指しています。資料では次の4つの観点から地盤災害の仕組みや補強の必要性が解説されます。
- 土地が形づくられてきた履歴
- 周辺の状況や擁壁の状態
- 建物を支える地盤の力
- 液状化のリスク
説明品質を均質化する狙い
このような取り組みは住宅業界の中でも先進的な事例といえ、リスクを伝える質を高めるとともに、社内でのばらつきをなくすことにもつながります。
自動出力という手法を取り入れることで、担当者の負担を増やすことなく説明の質を一定に保てる点も特徴です。顧客にとっても、口頭説明だけでは残りにくい情報を資料として手元に残せるというメリットがあります。
倒壊ゼロの実績と今後の方針
同社は創業以来、耐震・制震技術の向上に力を入れており、過去の大規模地震では倒壊ゼロという実績があります。対象となる住宅は阪神・淡路大震災や東日本大震災、熊本地震、令和6年能登半島地震で被災した177,897棟にのぼります。
地盤起因の被害は依然として課題
令和8年に発生した熊本地震でも倒壊には至らなかったものの、断層に近いエリアの住宅では地盤に起因する被害が確認されており、地盤災害による損害を完全になくすことは依然として容易ではありません。強固な建物であっても、支える地盤そのものが揺らげば被害を防ぎきれない現実が改めて浮き彫りになったといえます。
同社は今後も、安心できる暮らしの基盤となる地盤設計の精度を高めるとともに、顧客が納得したうえで家づくりを進められるよう誠実な説明を重ね、将来起こりうる地盤災害への備えを顧客とともに考えていく方針です。生涯にわたって安心して暮らせる住まいづくりに向けた取り組みは、今後さらに広がっていくと見られます。
出典情報など
出典:パナソニック ホームズ株式会社,敷地の地盤特性や液状化等の「地盤災害」リスクを 全てのお客さまにわかりやすく説明 『地盤考察書』の運用を開始,https://homes.panasonic.com/company/news/release/2026/0827.html,リリース日:2026-08-27