2026住宅市場動向調査を解説|「リフォーム促進税制」とは

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2026年に公表された住宅市場動向調査では、住宅購入やリフォームにかかる費用のほか、住宅への満足度や省エネ設備の設置状況など、住宅市場の最新動向が明らかになりました。また、新たに「リフォーム促進税制(所得税)」の利用状況が調査項目に加わり、制度の活用実態も公表されています。
そこで本記事では、住宅市場動向調査の結果を分かりやすく解説するとともに、リフォーム促進税制の概要や対象工事、利用時のポイントについて詳しく紹介します。
住宅市場動向調査とは

住宅市場動向調査とは、国土交通省が毎年実施している統計調査です。注文住宅や分譲住宅、中古住宅の購入者、民間賃貸住宅への入居者、住宅リフォームを実施した世帯などを対象に、住宅取得やリフォームの実態を把握する溜めの調査を実施しています。
住宅取得にかかった費用や資金調達方法、住宅に対する満足度など幅広い項目を調査しており、住宅政策の基礎資料として活用されています。住宅市場の最新動向を知る上で、事業者だけでなく住宅購入やリフォームを検討している人にとっても参考となる調査です。
目的
住宅市場動向調査は、住宅取得やリフォームの実態を継続的に把握し、今後の住宅政策や制度設計に役立てることを目的としています。
具体的には住宅購入やリフォームにかかった費用、資金の調達方法、住宅性能への評価、住宅に対する満足度などを調査し、消費者のニーズや市場の変化を分析しています。
対象

住宅市場動向調査の対象は、下記の通りです。
(1)地域的範囲
- 注文住宅:全国
- 分譲住宅:三大都市圏
- 既存(中古)住宅:三大都市圏とその他の地域(三大都市圏に属する都府県以外の道県)
- 民間賃貸住宅:三大都市圏
- リフォーム住宅:三大都市圏
※三大都市圏は首都圏(埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県)、中京圏(岐阜県、愛知県、三重県)、近畿圏(京都府、大阪府、兵庫県)を指す。
(2)属性的範囲
- 注文住宅:調査実施年度の前年度に自らが居住する目的で注文住宅(居住専用住宅)を新築し入居した世帯の代表者
- 分譲住宅:調査実施年度の前年度に新築の分譲住宅(居住専用住宅)を購入し入居した個人を含む世帯の代表者
- 既存(中古)住宅:調査実施年度の前年度に既存(中古)住宅(居住専用住宅)を購入し入居した(入居予定を含む)世帯の代表者
- 民間賃貸住宅:調査実施年度の前年度に民間賃貸住宅(居住専用住宅)に入居した個人を含む世帯の代表者
- リフォーム住宅:調査実施年度の前年度に住宅(居住専用住宅)の増改築等を実施した世帯の代表者
<調査対象数>
- 注文住宅:約2,000(母集団 約25万人)
- 分譲住宅:約600(母集団 約18万人)
- 既存(中古)住宅:約2,100(母集団 約16万人)
- 民間賃貸住宅:約600(母集団 約62万人)
- リフォーム住宅:約600(母集団 約92万人)
住宅市場動向調査では、直近1年間に住宅を取得・入居した世帯や、リフォームを実施した世帯を対象としています。住宅の取得方法やリフォーム内容ごとに実態を把握することで、それぞれの住宅市場の特徴や消費者動向を分析するのが狙いです。
2026年調査のポイント|「リフォーム促進税制」等が追加に
2026年に公表された住宅市場動向調査では、従来の調査項目に加え、「リフォーム促進税制(所得税)」の利用状況や、「建築・購入・入居した住宅に満足していない点」が新たに追加されました。
また省エネ設備に関する調査項目も拡充され、住宅の省エネ性能や税制利用の実態をより詳しく把握できる内容となっています。これにより、住宅取得だけでなく既存住宅の性能向上やリフォーム支援制度の利用状況についても分析できる調査となっているのが特徴です。
2026年「住宅市場動向調査」の結果を解説
ここでは、2026年に実施された住宅市場動向調査の結果について解説します。
①住宅購入資金又はリフォーム資金の平均値

住宅購入資金またはリフォーム資金の平均額は、注文住宅が7,646万円と最も高く、次いで分譲マンション(分譲集合住宅)が6,443万円となりました。
一方でリフォーム住宅は、住宅取得に比べて費用を抑えられる傾向が見られます。住宅価格や建築費の上昇が続く中で住宅取得に必要な資金は依然として高水準にあり、資金計画の重要性が高まっていることが分かります。
②建築・購入・入居した住宅に満足していないもの

今回の調査では、「建築・購入・入居した住宅に満足していない点」が初めて調査されました。その結果、注文住宅では「価格(予定より高くなった)」が最も多く挙げられました。
一方で分譲住宅や中古住宅、賃貸住宅などでは「特になし」と回答した割合が最も高く、多くの人が住宅に一定の満足感を得ていることがうかがえます。
③リフォーム促進税制(所得税)

今回、新設項目として「リフォーム促進税制(所得税)の利用状況」も調査されました。既存住宅を購入後にリフォームした世帯では、「税制の適用を受けた、または受ける予定」と回答した割合は、中古戸建住宅で14.7%、中古マンションで12.2%でした。
またリフォーム実施世帯全体では4.3%にとどまっており、制度の利用はまだ限定的であることが分かります。
④省エネ設備

省エネ設備について調査項目が拡充され、住宅ごとの設置状況が公表されました。
「二重サッシ・複層ガラスの窓」は注文住宅(建て替え)で整備率が高く、「太陽光発電設備、蓄電池、EV充電器、高効率給湯器」は注文住宅(新築)で高い設置率となっています。省エネ性能を重視した住宅づくりが進んでいることが、調査結果から読み取れます。
リフォーム促進税制とは

2026年の住宅市場動向調査では、リフォーム促進税制(所得税)の利用状況は4.3%(リフォーム実施世帯全体)にとどまっており、制度の利用率はまだ高いとはいえません。しかし対象となるリフォームを行えば、所得税や固定資産税の軽減を受けられる可能性があります。
そこで、リフォーム促進税制の概要や対象となる税金について分かりやすく解説します。
概要
リフォーム促進税制とは、一定の条件を満たすリフォーム工事をした場合に税金の軽減措置を受けられる制度です。耐震化や省エネ化、バリアフリー化など、住宅性能の向上につながるリフォームを後押しすることを目的として設けられています。
制度には所得税の税額控除や固定資産税の減額措置があり、工事内容や住宅の要件によって適用条件が異なります。
減税される税

住宅に特定のリフォームを実施した場合、所得税の特例例控除・固定資産税の減額措置を受けられる可能性があります。
工事内容に応じて「最大60~80万円を所得税額から控除、1/3~2/3相当の固定資産税額を減額」できます。
※三世代同居対応リフォーム、子育て対応リフォームは所得税額のみ。
※所得税の控除額は、リフォーム工事完了後に居住を開始した年の個人の所得税額によって異なります。納めた税額以上には還付されません。
①所得税
所得税のリフォーム促進税制では、対象となるリフォームを実施して一定の要件を満たした場合に、所得税の税額控除を受けられます。対象工事には耐震改修や省エネ改修、バリアフリー改修、子育て対応改修などがあり、工事内容に応じて適用条件が定められています。
②固定資産税
固定資産税の軽減措置では、一定のリフォーム工事を行った住宅について、翌年度分の固定資産税が減額されます。対象となるのは、耐震改修やバリアフリー改修、省エネ改修、長期優良住宅化リフォームなどで、それぞれ要件や減額割合が定められています。
減額を受けるためには、工事完了後に市区町村へ必要書類を添えて申告することが必要です。利用する際は、申請期限や必要書類を事前に確認しておきましょう。
リフォーム促進税制の対象工事
ここでは、リフォーム促進税制の対象工事について解説します。リフォーム促進税制では住宅性能の向上や住環境の改善につながる一定の工事が対象とされており、それぞれ適用要件や控除内容が異なるため、注意が必要です。
耐震リフォーム

耐震リフォームは、現行の耐震基準を満たしていない住宅に対し、耐震性能を向上させる工事が対象です。主に1981年5月31日以前の旧耐震基準で建築された住宅について、耐震診断や耐震補強工事を行うことで適用されます。
地震による倒壊リスクを軽減し、安全性を高めることを目的とした制度であり、一定の要件を満たせば所得税の控除や固定資産税の減額措置を受けることが可能です。
バリアフリーリフォーム

バリアフリーリフォームは、高齢者や障害のある方が安全かつ快適に生活できる住環境を整えるための工事が対象です。具体的には、手すりの設置や段差の解消、廊下や出入口の幅の拡張、滑りにくい床材への変更などが代表例として挙げられます。
一定の年齢や要介護認定などの要件を満たす場合に税制優遇を受けられ、将来を見据えた住まいづくりを支援する制度となっています。
省エネリフォーム

省エネリフォームは、住宅の断熱性能や省エネルギー性能を高める工事が対象です。窓の断熱改修や外壁・屋根・天井・床への断熱材設置、高効率給湯器や高効率空調設備の導入などが該当します。
光熱費の削減や快適性の向上だけでなく、住宅の脱炭素化にもつながるため、近年はとくに注目されている制度です。
同居対応リフォーム

同居対応リフォームは、親世帯と子世帯など複数世帯が暮らしやすい住まいへ改修する工事が対象です。キッチン・浴室・トイレ・玄関の増設など、生活空間を分けながら快適に同居できる設備の整備が該当します。
二世帯住宅への改修を支援する制度として設けられており、一定の設備要件を満たす工事であれば、所得税の税額控除を受けられる場合があります。
長期優良住宅化リフォーム

長期優良住宅化リフォームは、既存住宅の性能を向上させ、長く安心して住み続けられる住宅へ改修する工事が対象です。耐震性や省エネ性、劣化対策、維持管理のしやすさなどを総合的に向上させ、長期優良住宅の認定基準を満たすことを目指します。
住宅の資産価値の維持・向上にもつながることから、一定の要件を満たす工事には税制上の優遇措置が設けられています。
子育て対応リフォーム

子育て対応リフォームは、子育てしやすい住環境の整備を目的とした工事が対象です。家事負担を軽減する設備の設置や、子どもの見守りがしやすい間取りへの変更、防犯性や安全性を高める改修などが代表例です。
近年の税制改正で新たに対象となった工事であり、子育て世帯だけでなく、若い世帯が安心して暮らせる住宅の普及を目的としています。
リフォーム促進税制のよくある疑問
ここでは、リフォーム促進税制のよくある疑問について解説します。
住宅ローン減税と併用できる?

利用しているローンの種類によって、併用できる場合があります。まず「取得費用のローン」で適用している場合は、リフォーム促進税制(所得税・固定資産税)と併用可能です。
一方で「増改築費用のローン」の場合には、リフォーム促進税制(所得税の控除)は併用できません。しかしリフォーム促進税制(固定資産税の軽減)では、適用要件を満たす場合には併用可能です。
確定申告は必要?
リフォーム促進税制による所得税の控除を受ける場合は、原則として確定申告が必要です。会社員で年末調整を受けている方でも、初年度は確定申告をしなければ控除を受けられません。
一方で固定資産税の減額措置については、確定申告ではなく、市区町村へ所定の申告手続きをします。利用する制度によって手続きが異なるため、事前に確認しておきましょう。
申請期限はいつまで?
所得税の控除を受ける場合は、工事をした年の翌年に確定申告を行う必要があります。一方、固定資産税の減額措置は、工事完了後3か月以内を目安に市区町村へ申告することが一般的です。
期限を過ぎると税制優遇を受けられない可能性があるため、工事完了後は必要書類を早めに準備し、期限内に手続きを済ませることが重要です。
必要書類は?
リフォーム促進税制の申請には、確定申告書のほか、工事請負契約書の写し、工事費用の領収書、増改築等工事証明書などが必要になります。工事内容によっては、住宅性能を証明する書類や登記事項証明書などの提出が求められる場合もあります。
また固定資産税の減額措置でも、工事内容を証明する書類の提出が必要です。必要書類は制度や工事内容によって異なるため、事前に施工会社や自治体へ確認しておくとスムーズです。
まとめ
2026年の住宅市場動向調査では、住宅価格の高騰や省エネ性能への関心の高まりに加え、リフォーム促進税制の利用率がまだ低い実態も明らかになりました。リフォーム促進税制を活用すれば、一定の条件を満たす工事で所得税や固定資産税の軽減を受けられる可能性があります。
リフォームを検討している方は、対象工事や適用要件、申請手続きを事前に確認し、税制優遇を上手に活用して費用負担の軽減につなげてみてはいかがでしょうか。