国土交通省、注文住宅取得世帯で「価格」が最大の不満、住宅市場動向調査を公表

20260729_令和7年度住宅市場動向調査の結果

国土交通省は令和8年7月17日、令和7年度住宅市場動向調査の結果を公表しました。今回の調査からは新たに「住宅への不満点」と「リフォーム促進税制の利用実態」を尋ねる項目が加わり、加えて省エネ設備の設置状況についても調査範囲が広がっています。

住宅取得を検討している人にとっても、実際の取得者がどこに不満を感じているのかは参考になる情報と言えるでしょう。

調査の目的と対象世帯

本調査は統計法に基づく一般統計調査で、平成13年度から毎年続けられています。個人の住宅取得における実態や資金調達の方法を把握し、住宅政策の企画立案に役立てることが狙いです。

対象となったのは令和6年4月から令和7年3月までに住み替え、建て替え、リフォームを行った世帯で、注文住宅、既存(中古)住宅、分譲住宅、民間賃貸住宅、リフォーム住宅の5区分に分けて調査票が回収されました。調査方法は地域によって郵送調査と訪問留置調査を使い分けており、回収数は以下の通りです。

  • 注文住宅:735件
  • 既存住宅:1,123件
  • 分譲住宅:580件
  • 民間賃貸住宅:590件
  • リフォーム住宅:579件

注文住宅の取得費用が突出

住宅購入資金またはリフォーム資金の平均額を見ると、注文住宅が7,646万円で最も高い水準となりました。次いで分譲集合住宅が6,443万円、分譲戸建住宅が5,099万円と続きます。

既存(中古)住宅は戸建で2,966万円、集合住宅で3,321万円にとどまり、リフォーム住宅は170万円と、新築や購入に比べて費用負担が大きく抑えられていることが分かります。自由設計である注文住宅は、こだわりを反映しやすい反面、費用面での負担も相応に大きくなる傾向がうかがえます。

注文住宅取得世帯、「価格」が最多の不満

建築、購入、入居した住宅への不満点を尋ねた結果、注文住宅以外の利用関係では「特になし」との回答が最も多く、住まいへの満足度の高さがうかがえます。一方で注文住宅取得世帯だけは事情が異なり、「価格(予定より高くなった)」を挙げた人が36.1%と最も多くなりました。他の住宅形態と比べても突出して高い数値であり、注文住宅特有の課題と言えそうです。

続いて多かったのは「住宅の広さ」で18.8%、「間取り、部屋数」が16.8%という結果です。注文住宅では「価格(予定より高くなった)」が最も多く、次いで「住宅の広さ」「間取り、部屋数」への不満が続く形となりました。こうした結果からは、予算やプランに関する丁寧な提案や説明が、住宅取得者の満足度向上につながるポイントの一つと言えそうです。

リフォーム促進税制、利用は1割前後

新設項目である所得税のリフォーム促進税制については、既存(中古)住宅を取得した後にリフォームを行った世帯のうち、制度を「受けた」または「受ける予定である」と答えた割合は次の通りでした。

  • 既存(中古)戸建住宅取得世帯:14.7%
  • 既存(中古)集合住宅取得世帯:12.2%
  • リフォーム実施世帯全体:4.3%

制度の存在は知られつつあるものの、実際の利用率はまだ限定的であることが読み取れます。多くの世帯が「受けていない」を選択しており、制度の周知や手続きの分かりやすさが、今後の普及拡大の課題になりそうです。

省エネ設備は新築注文住宅で先行

省エネ設備の設置状況も調査対象に加えられました。「二重サッシまたは複層ガラスの窓」は注文住宅(建て替え)で88.5%と最も高い設置率を示しました。これに対し、太陽光発電装置(62.5%)、蓄電池(31.7%)、EV充電器(33.9%)、高効率給湯器(71.5%)はいずれも注文住宅(新築)で最も高い数値となっています。

建て替えの場合は断熱性能を重視した窓の更新が優先される一方、新築ではエネルギーを生み出し蓄える設備への投資が進んでいる様子がうかがえます。既存住宅や民間賃貸住宅では総じて設置率が低く、住宅形態による省エネ対応の差が浮き彫りになりました。今後、既存住宅の省エネ改修をどう後押ししていくかも、政策上の重要なテーマになっていきそうです。

今回の調査結果は、住宅取得者の満足度向上や税制活用の促進に向けた施策検討の材料として活用される見込みです。

出典情報など

出典:国土交通省,「リフォーム促進税制」などについて新たに調査しました!~令和7年度住宅市場動向調査の結果をとりまとめ~,https://www.mlit.go.jp/report/press/house02_hh_000248.html,リリース日:2026-07-17