2027改正「マンション管理計画認定制度」とは|メリット・デメリットを解説

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2027年4月より、マンションの老朽化対策や適正な管理を目的とした改正法が施行されます。これによりマンション管理計画認定制度の見直しや、認定マンションの表示制度の創設などが実施されるのがポイントです。
背景には築年数の経過したマンションの増加や、修繕積立金不足、管理不全リスクの高まりがあります。そこで本記事では、改正内容とともに、マンション管理計画認定制度の概要やメリット・デメリットについて分かりやすく解説します。
2027年4月|マンション管理・再生の円滑化等のための改正法が施行

2025年5月30日に「老朽化マンション等の管理及び再生の円滑化等を図るための建物の区分所有等に関する法律等の一部を改正する法律」が公布され、2027年4月の施行に必要な規定を整備するための政令が制定されています。
ここでは、具体的な内容について解説します。
①「老朽化マンション等の管理及び再生の円滑化等を図るための改正法」の一部施行
2027年4月から、老朽化マンションの管理や再生を進めるための改正法の一部が施行されます。背景には、築年数の古いマンションの増加や、修繕積立金不足、管理組合の機能低下などの課題があります。
今回の改正の目的は、マンション管理計画認定制度の見直しや表示制度の創設などを通じて適切な管理を促進することです。管理状態を見える化し、将来的な資産価値維持や老朽化対策につなげる狙いがあります。
- 管理計画認定制度の見直し
今回の改正では、「マンション管理計画認定制度」の対象が拡充されます。これまでは主に管理組合が認定申請をしていましたが、今後は新築分譲時にデベロッパーなどの分譲事業者が認定申請できるようになります。
これにより新築段階から適切な管理計画を整備しやすくなり、購入検討者に対して「管理体制が整ったマンション」であることを示しやすくなるのがメリットです。管理品質を重視したマンション供給の促進も期待されています。
- 管理計画認定マンションの表示制度創設
改正法では、管理計画認定を受けたマンションであることを表示できる制度も創設されます。これにより、購入検討者や居住者が管理状態の良いマンションを判断しやすくなります。
中古マンション市場では、立地や築年数だけでなく管理状態の重要性も高まっており、認定表示も大きな差別化要素です。また管理組合にとっても、適切な管理を継続する意識向上につながることが期待されています。
②関連政令の改正
今回あわせて、「マンションの管理の適正化の推進に関する法律施行令」の一部改正も行われます。これは、改正法の施行に伴い、法律内の条文番号の変更や制度内容との整合性を取るために必要となるものです。
主な内容は、法律改正によって生じる条項ずれへの対応や、関連規定の整理です。制度そのものを大きく変更する内容ではありませんが、改正法を円滑に運用するための重要な整備と位置付けられています。
マンション管理計画認定制度とは

マンション管理計画認定制度とは、マンションの管理状態が一定の基準を満たしている場合に、地方公共団体から認定を受けられる制度です。2022年4月に開始され、適切な管理や計画的な修繕を促進することを目的としています。
認定を受けるには、長期修繕計画の作成や修繕積立金の設定、管理組合の適切な運営などの条件を満たす必要があります。管理状態を客観的に示せるため、購入検討者への安心感や資産価値維持につながる点が特徴です。
認定基準

マンション管理計画認定制度では、国が定める基準をもとに認定が実施されます。具体的な認定基準は、下記の通りです。単に建物が新しいだけではなく、将来を見据えた継続的な管理体制が整っているかが評価されます。
【1】管理組合の運営
・総会が定期的に開催されていること 等
【2】管理規約
・管理規約が作成されていること 等
【3】管理組合の経理
・管理費と修繕積立金の区分経理がされている
・修繕積立金の滞納に適切に対応している 等
【4】長期修繕計画の作成及び見直し等
・長期修繕計画の計画期間が30年以上かつ残存期間内に大規模修繕工事が2回以上含まれている
・長期修繕計画の計画期間全体での修繕積立金から算定された修繕積立金の平均額が著しく低額でない 等
【5】その他
・組合員名簿、居住者名簿が適切に備えられている 等
「マンション管理適正評価制度」との違い
マンション管理計画認定制度とマンション管理適正評価制度は、どちらも管理状態を評価する制度ですが、運営主体や目的に違いがあります。「マンション管理計画認定制度」は地方公共団体が認定する公的制度で、国の基準に基づいて審査されます。

一方で「マンション管理適正評価制度」は、一般社団法人マンション管理業協会が運営する民間制度です。認定制度は「基準を満たしているか」を確認する仕組みであるのに対し、適正評価制度は管理状況を点数やランクで評価するのが特徴です。
マンション管理計画認定制度のメリット

ここでは、マンション管理計画認定制度のメリットについて解説します。
管理状態が良好なマンションとして客観的に評価される
管理組合の運営状況や長期修繕計画などが基準に基づいて評価されることで、主観ではなく客観的に「管理が良いマンション」と示せます。これにより管理品質を分かりやすく伝えられ、信頼性の向上につながります。
購入検討者に安心感を与え、中古市場で差別化しやすい
認定を受けたマンションは管理体制が一定基準を満たしているため、購入希望者に安心感を与えやすくなります。築年数や立地だけでなく「管理の良さ」をアピールできると、中古市場での物件差別化にもつながります。
資産価値の維持につながりやすい
適切な管理が継続されることで、建物の劣化や大規模修繕の遅れを防ぎやすくなります。長期的に建物の状態が維持されることで、将来的な売却時にも価格下落を抑える要因となる可能性があります。
修繕積立金や長期修繕計画の適正化が進みやすい
認定基準を満たすために、修繕積立金の水準や長期修繕計画の内容を見直す必要が出る場合があります。将来の修繕に備えた資金計画が整備されることで、突発的な負担増を防ぎやすくなるのがメリットです。
老朽化や管理不全リスクを減らしやすい
定期的な点検や修繕計画の実行が促されるため、建物の老朽化や管理不全の進行を抑えやすくなります。管理が放置されるリスクが低下し、長期的に安全で住みやすい環境を維持しやすくなります。
住民の管理意識・合意形成が進みやすい
認定取得に向けた取り組みを通じて、住民の管理意識が高まりやすくなります。また総会や意思決定の仕組みが整うことで、修繕や管理方針についての合意形成がスムーズになる効果も期待できます。
一部で住宅ローンや融資の優遇対象になる場合がある
金融機関によっては、認定マンションを評価し、住宅ローンの金利優遇や融資条件を緩和するケースがあります。管理状態が良いことがリスク低減と判断され、資金調達面で有利になるのが大きなメリットです。
将来的に固定資産税の優遇制度を利用しやすくなる可能性がある

管理計画認定マンションであることが、長寿命化工事に伴う固定資産税の減額制度などの適用条件に関係する場合があります。直接の減税ではないものの、関連制度の対象となる可能性が高まり、税制面のメリットにつながります。
マンション管理計画認定制度のデメリット・注意点

マンション管理計画認定制度には、下記のデメリットや注意点があります。
申請書類の準備や手続きの負担がある
認定を受けるためには、長期修繕計画や管理規約、総会資料など多くの書類を整備する必要があります。既存資料が不十分な場合は作成・修正も求められ、管理組合や管理会社の事務負担が増えてしまう点がデメリットです。
修繕積立金の見直し・増額が必要になる場合がある
認定基準を満たすために、修繕積立金の水準が適正かどうか見直しが行われることがあります。不足がある場合は増額が必要となり、区分所有者の毎月の負担が増えてしまうため注意が必要です。
理事会や管理組合の運営負担が増えやすい
認定取得後も適切な管理状態を維持する必要があるため、理事会や管理組合の業務が増える傾向があります。具体的には定期的な点検や書類管理など、継続的な対応が求められます。
認定を受けても資産価値維持が必ず保証されるわけではない
認定は管理状態が一定水準であることを示すものですが、将来の資産価値を保証するものではありません。立地条件や市場動向など他の要因によって価格は変動するため、過度な期待はできない点には注意が必要です。
まとめ
今回の法改正は、老朽化マンションの増加という社会課題に対応し、管理の質を「見える化」することを目的としています。
ただし認定取得は資産価値の維持や市場での差別化につながる可能性があるものの、将来に渡る効果が保証されるわけではありません。制度の特徴を理解し、長期的な視点で管理を考えることが重要です。