建設経済研究所、2026年度の住宅着工戸数は76万戸の見通し、住宅投資は全体の約2割

20260807_2026~2027年度住宅着工戸数と民間住宅投資の見通し

一般財団法人建設経済研究所と一般財団法人経済調査会 経済調査研究所は、2026年7月27日に「建設経済モデルによる建設投資の見通し」を公表しました。レポートでは、2026年度・2027年度の建設投資および住宅投資の見通しを示しています。

2026年度の建設投資総額は83兆2,600億円、2027年度は前年度比3.7%増の86兆3,500億円となる見込みです。このうち2027年度の民間住宅投資は17兆4,200億円で、建設投資全体のおよそ2割を占めると予測されています。

建設投資全体に占める住宅の位置

2026年度の建設投資総額は83兆2,600億円で、前年度比6.3%増と予測されています。このうち民間住宅投資は17兆1,300億円で、全体に占める割合は約20.6%です。

2027年度は建設投資総額が86兆3,500億円まで拡大する一方、民間住宅投資は17兆4,200億円となり、全体に占める割合は約20.2%となる見込みです。政府分野や民間非住宅分野が高水準の投資を維持する一方で、住宅分野は省エネ基準適合義務化前の駆け込み需要の反動からの回復が一巡することが背景にあると分析しています。

住宅着工戸数は反動減から回復へ

2026年度の住宅着工戸数は、前年度比6.8%増の76.0万戸になると見込まれています。省エネ基準適合義務化に伴う駆け込み需要の反動で落ち込んでいた前年度から持ち直す形です。

一方、2027年度は75.6万戸と前年度比0.5%減で推移し、回復の動きは一巡すると予測されています。

持家・貸家・分譲で異なる動き

種類別の着工戸数の見通しは次の通りです。

  • 持家:2026年度20.8万戸(6.6%増)、2027年度20.3万戸(2.4%減)
  • 貸家:2026年度33.2万戸(7.5%増)、2027年度33.3万戸(0.2%増)
  • 分譲住宅:2026年度21.3万戸(5.9%増)、2027年度21.2万戸(0.1%減)

持家は住宅ローン減税の延長や「みらいエコ住宅2026事業」の効果もあり2026年度は増加に転じるものの、2027年度は住宅価格やローン金利の高止まりが取得の重石となり微減に転じる見通しです。

貸家は単身世帯の増加を背景に需要が底堅く、分譲住宅はマンションが前年度の反動減から回復する一方、戸建はほぼ横ばいで推移すると分析されています。

民間住宅投資額は増加傾向

民間住宅投資額(名目値)は、2026年度が前年度比5.9%増の17兆1,300億円、2027年度は同1.7%増の17兆4,200億円と予測されています。

着工戸数の増加に加え、資材価格や工事費の上昇傾向が続くことも投資額を押し上げる要因です。実質値ベースでは2026年度が2.6%増となる一方、2027年度は0.2%減とやや異なる動きを示しています。名目値と実質値の差は、建築単価の上昇が続いていることを反映したものです。

住宅価格や金利が今後の焦点

建設経済研究所は、2027年度について「反動減からの回復は一巡するものの、住宅価格や金利の高止まりが取得環境に影響を与える」と分析しています。住宅投資は建設投資全体の約2割を占める重要な分野であり、今後も政策効果や金利動向、住宅取得環境の変化が市場を左右する要因となりそうです。

また、国土交通省が2026年7月31日に公表した「建築着工統計調査報告(令和8年6月分)」では、全国の新設住宅着工戸数が前年同月比18.6%増となり、持家・貸家・分譲住宅のいずれも増加しました。今回のレポートが示す2026年度の回復見通しと同じ方向性を示す結果となっており、省エネ基準適合義務化後の反動減が一巡しつつあることがうかがえます。

参考:国土交通省、6月の新設住宅着工戸数18.6%増、持家・貸家・分譲住宅がそろって増加

出典情報など

出典:一般財団法人建設経済研究所・一般財団法人経済調査会 経済調査研究所,建設経済モデルによる建設投資の見通し(2026年7月),https://www.rice.or.jp/wp-content/uploads/2026/07/20260727-model.pdf,リリース日:2026-07-27