感震ブレーカーとは|メリット・デメリットや補助金まとめ

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「感震ブレーカー」についてピックアップします。地震による火災の多くは、揺れそのものではなく、地震後の通電によって発生するといわれています。こうした電気火災を防ぐ対策として、近年注目されているのが「感震ブレーカー」です。
国土交通省も設置促進を進めており、自治体によっては補助金制度が用意されるなど、導入環境が整いつつあります。そこで本記事では感震ブレーカーの仕組みや種類、メリット・デメリット、価格帯や補助金情報まで分かりやすく解説します。
感震ブレーカーとは
感震ブレーカーとは、地震の揺れを感知して自動的に電気の供給を遮断する装置です。具体的には震度5強程度の揺れを検知すると主幹ブレーカーをオフにして、通電火災や電気機器からの出火リスクを下げます。
普段の生活では作動しませんが、地震発生時に自動で安全装置が働く点が最大の特徴です。これにより、不在時や避難中にも電気火災を予防できます。
国土交通省、感震ブレーカーの設置促進

2026年1月の「首都直下地震対策検討ワーキンググループ報告書」において、感震ブレーカー等の普及によって大規模地震時の焼失棟数を大幅に削減できることが示されました。
これを踏まえ、このたび関係する府省庁、地方公共団体、事業者等が連携し、感震ブレーカーの設置促進に取り組むことが決定しています。自治体の取組支援や補助事業後押しなど、行政レベルでも設置拡大が図られています。
感震ブレーカーの種類・仕組み|価格もチェック
ここでは、主な感震ブレーカーの種類や仕組みについてご紹介します。一般的な価格帯についても、合わせてまとめています。
分電盤タイプ(内蔵型)

分電盤タイプの内蔵型は、住宅の分電盤にセンサーが組み込まれた感震ブレーカーです。地震の揺れを検知すると主幹ブレーカーを自動で落として家全体の電気を遮断し、通電火災を予防します。
信頼性が高い反面、設置には電気工事と比較的高い費用が必要で、価格は一般的に約5万円〜8万円です。全体の電力を一括で遮断できるため、幅広い安全対策として有効です。
分電盤タイプ(後付け型)

後付け型の分電盤タイプは、既存の分電盤に感震機能を追加する形の感震ブレーカーです。内蔵型と同様に地震の揺れを感知して主幹ブレーカーを遮断しますが、既設の分電盤に外付けするため工事規模が小さく、費用も約2万円と比較的抑えられます。
漏電ブレーカーが既にある場合に設置可能で、既存住宅への導入に向いています。こちらも電気工事が必要です。
コンセントタイプ

コンセントタイプは、壁面コンセントまたはタップ型の感震ブレーカーで、揺れを感知して該当コンセントの電気を遮断します。価格は一般的に、約5,000円〜2万円です。既存コンセントに差し込むだけのタイプは電気工事不要で導入しやすく、特定の家電や電気器具に対する通電火災対策に適しています。ただし、設置した箇所以外の配線には対応できません。
簡易タイプ

簡易タイプの感震ブレーカーは、電気工事不要で設置可能な簡便な装置です。地震の揺れによって内部のおもりやばねが動作し、主ブレーカーを切断して電気を遮断します。
価格は約3,000円〜4,000円と非常に低コストで、ホームセンター等でも入手可能です。ただし作動の信頼性や遮断範囲は他タイプに劣るため、補助的に使われることが多くなります。
感震ブレーカーのメリット

ここでは、感震ブレーカーのメリットについて解説します。
地震時の出火予防
感震ブレーカーの最大のメリットは、地震発生時の電気火災を未然に防げる点です。強い揺れを感知すると自動で電気を遮断するため、倒れた家電や破損した配線への通電を防止できます。
とくに停電後に電気が復旧した際に発生しやすい「通電火災」の対策として有効で、住宅密集地や木造住宅では被害軽減につながります。
ブレーカーを気にせず避難できる
地震が起きた際、「ブレーカーを落としてから避難しなければ」というタイムロスの必要がなくなるのも大きなメリットです。感震ブレーカーがあれば揺れを感知して自動で遮断されるため、慌てた状況でも速やかに避難行動へ移れます。
高齢の家族や小さなお子さまがいる家庭では、安全確保を優先できる心強い設備といえるでしょう。
自宅不在時にも安心
感震ブレーカーは、在宅していない時間帯でも自動で作動するため、不在時の地震にも備えられます。外出中や就寝中に地震が発生しても、電気が遮断されることで火災リスクを抑えられるのがメリットです。
留守がちな共働き世帯や単身世帯でも安心感が高く、万が一の被害拡大防止に役立つ点が評価されています。
感震ブレーカーのデメリット・注意点

ここでは、感震ブレーカーのデメリットや注意点について解説します。
誤作動リスクがある
感震ブレーカーは地震の揺れを感知して作動する仕組みのため、工事による強い揺れなどで誤作動する可能性があります。誤って電気が遮断されると、冷蔵庫や通信機器が停止する場合もあるため注意が必要です。
機種によって感知レベルを調整できるものもあるため、設置環境に合わせて選定しましょう。
定期点検が必要
感震ブレーカーは、定期的な点検や動作確認が欠かせません。設置してから長期間経つと、センサーの劣化や内部部品の不具合により正常に作動しない可能性があります。
メーカーが推奨する点検方法や交換時期を確認し、必要に応じて専門業者に点検を依頼することが、安全性を維持するポイントです。
導入費用が掛かる
感震ブレーカーは種類によって導入費用に差があり、例えば分電盤タイプでは本体価格に加えて電気工事費が必要になります。数万円程度の費用がかかるケースもあり、初期コストが負担になる場合があります。
ただし自治体によっては補助金制度を設けていることもあるため、導入前に利用可能な支援制度を確認するのがおすすめです。
感震ブレーカーの補助金
ここでは、感震ブレーカーに対する補助金について解説します。ご紹介している自治体以外にも独自制度を実施している場合があるため、ぜひ各自治体の公式サイトをご確認ください。
東京都葛飾区|感震ブレーカー設置補助

葛飾区では、住宅の地震時の電気火災リスクを低減するため、感震ブレーカーの購入・設置費用に対する補助金制度を実施しています。対象は区内在住で高齢者・障害者世帯など一定条件を満たす世帯、または木造戸建て住宅で火災危険度の高い地域に住む世帯です。
補助金額は機器の種類によって異なり、分電盤外付型やコンセント型などは上限2万円まで全額補助(100%)、分電盤交換タイプは対象経費の½・上限5万円(50%)まで支給されます。必要書類を添えて申請する必要があり、期限は「令和8年2月27日まで」です。
大阪府|感震ブレーカー設置支援

大阪府内では、㈶大阪府都市整備推進センターを通じて、住宅密集地の自治会やまちづくり協議会などが実施する感震ブレーカーの設置活動に対して助成が実施されています。
具体的には、自治会等が密集市街地内の世帯に向けて感震ブレーカーを購入・設置する場合、1個につき購入費・設置費の範囲内で2,000円まで助成されます。助成対象となる機器は、日本配線システム工業会や日本消防設備安全センターの認証・推奨を受けた感震ブレーカーであることが条件です。
また耐火性能のあるマンションのみの設置は助成対象外となるなど、団体単位で地域全体の設置を進めることが原則とされています。助成を受けたい場合は、活動計画や申請書類をセンターに提出する必要があります。
石川県|感震ブレーカー設置促進事業費補助金

石川県は、大規模地震時の電気火災を予防し被害を抑える目的で、住宅に感震ブレーカーを購入・設置する際の費用の一部を補助する制度を実施しています。対象は県内の戸建て住宅、共同住宅、長屋等で、感震ブレーカーの購入・設置費用の1/2(50%)を助成、分電盤タイプ(内蔵型・後付型)は上限30,000円、コンセント・簡易タイプは上限3,000円です。
補助対象の製品は、内閣府の性能評価ガイドラインに基づいた要件を満たしている必要があります。申請期間は「令和7年7月1日〜令和8年3月31日まで」で、購入・設置後に県へ申請書類を提出する流れです。
まとめ
感震ブレーカーは、地震時の電気火災を防ぐために有効な設備であり、在宅・不在を問わず自動で作動する点が大きな強みです。一方で、導入費用や誤作動、定期点検といった注意点も理解しておく必要があります。
住宅の状況やライフスタイルに合った種類を選び、補助金制度を活用することで負担を抑えることも可能です。万が一に備え、早めの導入を検討してみてはいかがでしょうか。