外国人の不動産購入規制はいつから?|現状や今後を解説

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Category: 住宅業界動向

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「外国人の不動産購入規制」についてピックアップします。近年、日本では外国人による不動産購入が増加しており、マンション価格の上昇や地域への影響、国家安全保障の観点から注目を集めています。

現時点では外国人の不動産購入に大きな制限はありませんが、政府は実態把握や制度見直しに向けた動きを強めています。そこで本記事では、「外国人の不動産購入規制はいつから始まるのか」という疑問から、現状の制度や規制強化の背景、今後の予定について分かりやすく解説します。

外国人の不動産購入が増加

ここでは、外国人による不動産購入が増加している現状について整理しておきます。

外国人投資目的マンションの実態調査

エリア国外に住所がある者による新築マンション取得の状況
東京都3.0%
神奈川県1.0%
埼玉県0.2%
千葉県0.5%
茨城県1.4%
出典:国土交通省,【別紙】不動産登記情報を活用した新築マンションの取引実態の調査・分析について,https://www.mlit.go.jp/report/press/tochi_fudousan_kensetsugyo05_hh_000001_00237.html,参照日2026.2.5

国土交通省の調査(2025年1~6月)によると、近年、日本の不動産市場では外国人による不動産購入が増加しています。とくに東京都心部の新築マンションでは、投資目的で購入する海外在住者や外国人投資家の存在感が高まっており、価格上昇の一因として指摘されています。

出典:国土交通省,【別紙】不動産登記情報を活用した新築マンションの取引実態の調査・分析について,https://www.mlit.go.jp/report/press/tochi_fudousan_kensetsugyo05_hh_000001_00237.html,参照日2026.2.5

東京23区で新築マンションを取得した外国人の国・地域は、「中国、香港、台湾」が多くなっています。こうした状況を受けて、政府は外国人による不動産取得の実態調査を進めている状況です。

外国人の不動産購入の流れ

出典:国土交通省,不動産事業者のための国際対応実務マニュアル,https://www.mlit.go.jp/common/001201742.pdf,参照日2026.2.5

外国人が不動産を取得する際には、上図の流れで売買取引業務が実施されます。とくに契約・引渡しにおいては、以下の手続き等に留意が必要です。

  • 登記用の住民票・印鑑証明書に代わる書面の準備
  • 納税管理人の選定 
  • 外為法の事後届出

外国人の不動産購入に関する規制の現状

日本では原則として、外国人による不動産購入について大きな制限は設けられていません。居住目的・投資目的を問わず土地や建物の取得が可能であり、永住権や在留資格の有無も必須条件ではありません。

このように現時点では包括的な購入規制は存在せず、実態把握や制度見直しの議論が進められている段階です。ただし今後は、国土利用計画法に基づく事後届出や、重要土地等調査法による安全保障上の調査対象となる場合があります。

外国人の不動産購入規制の背景

ここでは、外国人の不動産購入規制の背景について解説します。

不動産価格の高騰

外国人投資家による不動産購入の増加は、都市部を中心に不動産価格の上昇を招く要因の一つとされています。とくに投資目的での購入は実需とは異なり、価格重視で取引が進む傾向があります。

その結果、国内の居住希望者が価格面で購入しづらくなり、住宅取得の機会が制限される懸念が高まっているのが課題です。

地域社会への影響

投資目的で取得された不動産が増えることで、空き住戸の増加や短期滞在者の流入など、地域コミュニティへの影響が指摘されています。居住実態のない物件が増えると、自治会活動の停滞や防犯・防災面での不安が生じる可能性もあります。

国家安全保障のリスク

外国人による不動産取得は、国家安全保障の観点からも注目されています。自衛隊基地や重要インフラ周辺の土地が外国資本に取得されることで、情報収集や利用目的への懸念が生じることが理由です。

こうしたリスクを踏まえ、日本では特定地域を対象とした調査制度が導入されており、さらなる規制強化を求める議論が進む背景となっています。

外国人の不動産購入規制へ|今後の予定

ここでは、外国人の不動産購入規制に関する今後の予定について解説します。

公営住宅(賃貸)入居時に国籍把握

政府は2026年1月に、公営住宅やUR賃貸住宅への新規入居者について国籍の把握を進める方針を打ち出しました。全国の自治体に対して、入居者の国籍情報を確認する実態調査を実施して、状況に応じて住民票や在留カードなどで国籍を確認するよう求める通知を出す予定です。

外国法人の土地取得時に国籍届出義務化|2026年4月

政府は、外国法人を含む外国人による大規模土地取得の実態把握のため、土地取引時の国籍届出義務化を進めています。特定規模以上の土地を取得する場合、取得者の国籍を自治体へ届け出る制度を国土利用計画法の枠内で義務付け、情報を国に集約する仕組みを2026年4月より整備します。

この制度により誰がどの国の資本で土地を取得しているかを把握し、安全保障や水源地・森林保全などへの対応を強化する予定です。

外国人の不動産購入でよくある疑問

ここでは、外国人の不動産購入でよくある疑問について解説します。

外国人だと不動産相続税がかからない?

外国人であっても、日本国内にある不動産を相続・取得した場合は、原則として日本の相続税の課税対象となります。被相続人や相続人の居住地や在留資格によって課税範囲が異なる場合はありますが、「外国人だから相続税がかからない」ということはありません。

このように日本の不動産を保有する以上、国籍に関係なく税務上のルールが適用されます。

不動産購入で永住権が得られる?

日本では、不動産を購入しただけで永住権や在留資格が付与される制度はありません。高額な不動産を取得しても、滞在資格は別途、就労内容や在留期間、納税状況などの要件を満たす必要があります。

そのため不動産購入はあくまで資産取得に過ぎず、在留資格や永住許可とは直接結びつかないという点に注意が必要です。

まとめ

外国人による不動産購入は、日本の不動産市場に一定の影響を与えており、価格高騰や地域社会への影響、安全保障上の懸念から規制を求める声が高まっています。

現時点では包括的な購入規制はないものの、国籍把握や土地取得時の届出義務化など、段階的な制度整備が進められる見通しです。今後、不動産取引や運用においても適切な対応が求められます。