外断熱と内断熱の違いとは|メリット・デメリットを解説

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Category: 住宅業界動向

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「外断熱」についてピックアップします。住まいの快適さや省エネ性を考えるうえで、欠かせない要素が「断熱性」です。断熱性能が高い住宅は、夏の暑さや冬の寒さの影響を受けにくく、室温が安定しやすいため、冷暖房効率や光熱費、さらには健康面にも大きく関わります。

主に「外断熱」と「内断熱」という2つの断熱工法があるため、本記事ではそれぞれの違いやメリット・デメリット、価格差や併用方法までを整理し、新築・リフォーム時の判断材料として分かりやすく解説します。

「断熱性」が快適さを左右

住まいの快適さを大きく左右する要素のひとつが「断熱性」です。夏の暑さや冬の寒さをどれだけ室内に伝えにくくできるかで、冷暖房の効きやすさ、室温の安定性、光熱費や健康面への影響まで変わってきます。

とくに近年は、省エネ性能への関心の高まりや住宅性能表示制度の普及により、断熱仕様を重視して住宅を検討する人が増えています。そこで重要になるのが「外断熱」と「内断熱」という2つの断熱工法の違いです。

次項からは、断熱性が暮らしの質にどのように関わるのかを踏まえながら、外断熱と内断熱それぞれの特徴やメリット・デメリットをわかりやすく解説します。

外断熱とは

ここではまず、外断熱の種類やメリット・デメリットについて分かりやすく解説します。

主な断熱材の種類

外断熱で用いられる断熱材は、建物の外側から構造体を包み込むように施工できるものが中心です。具体的には押出法ポリスチレンフォーム(XPS)やビーズ法ポリスチレンフォーム(EPS)などの発泡プラスチック系断熱材で、断熱性能が高く吸水性が低い点が特徴です。

またフェノールフォームは薄くて断熱性が高い素材のため、外断熱でも採用が進んでいます。近年では、耐火性や環境性能に配慮した製品も増えています。

外断熱のメリット

外断熱の主なメリットは、下記の通りです。

  • 断熱欠損や熱橋が発生しにくい
  • 室内の温度差が小さくなり、夏は涼しく冬は暖かい
  • 結露の発生を抑えやすい
  • 建物の耐久性向上につながる
  • 省エネ性・光熱費削減が期待できる
  • 高気密・高断熱住宅との相性が良い

外断熱は、柱や梁などの構造体を断熱材で連続的に覆う構造です。これにより断熱欠損や熱橋が生じにくくなり、室内の温度差が少ない安定した住環境を実現できます。

また建物全体を外側から守るため、結露の発生を抑えやすく、構造体の耐久性向上にもつながるのがメリットです。冷暖房効率が高まり、省エネ性や快適性を重視する住宅で採用されるケースが増えています。

外断熱のデメリット

外断熱の主なデメリットは、下記の通りです。

  • 施工費用が高くなりやすい
  • 外壁の納まりが複雑になり、施工手間や工期が増える場合がある
  • 対応できる施工会社が限られる
  • 外壁が厚くなるため、敷地条件や斜線制限の影響を受けることがある
  • 外装材や防火規制との組み合わせに注意が必要

外断熱は断熱材の費用に加え、外壁の納まりが複雑になるため、施工コストや手間が増える傾向があります。また外壁が厚くなることで、敷地条件によっては制約を受けるのがデメリットです。

さらに施工品質が性能に直結することにより、設計や施工に十分な知識と経験が求められます。対応できる施工会社が限られる点も注意が必要です。

内断熱

ここでは、内断熱の種類やメリット・デメリットについて分かりやすく解説します。

主な断熱材の種類

内断熱で主に使用されるのは、柱と柱の間に充填するタイプの断熱材です。代表的なものに、グラスウールやロックウールなどの繊維系断熱材があり、コストを抑えやすく多くの住宅で採用されています。また、現場で吹き付けて施工する硬質ウレタンフォームは、隙間ができにくく高い気密性を確保できる点が特徴です。住宅の構造や予算、求める性能に応じて使い分けられています。

内断熱のメリット

内断熱の主なメリットは、下記の通りです。

  • コストを抑えやすい
  • 対応できる施工会社が多い
  • 敷地条件や法規制の影響を受けにくい
  • 木造住宅との相性が良い
  • リフォームや部分的な断熱改修にも対応しやすい

内断熱の大きなメリットは、施工方法が比較的シンプルでコストを抑えやすい点です。多くの施工会社が対応できるため、設計や施工の自由度が高いことも特徴です。

また外壁の厚みが増えないため敷地条件や法規制の影響を受けにくく、リフォームにも適しています。一般的な木造住宅との相性が良く、普及率が高い断熱工法です。

内断熱のデメリット

内断熱の主なデメリットは、下記の通りです。

  • 熱橋が発生しやすい
  • 室内の温度ムラが生じやすい
  • 壁内結露が起こると、断熱性能や建物耐久性が低下する恐れがある
  • 気密施工が不十分な場合、断熱性能を十分に発揮できない
  • 施工品質によって性能差が出やすい
  • 冷暖房効率が下がる場合がある

内断熱は柱や梁が断熱材で連続して覆われないため、熱橋が発生しやすいというデメリットがあります。その結果、室内の温度差が生じやすく、結露のリスクが高まる場合があります。

また、気密施工が不十分だと断熱性能が十分に発揮されない点にも注意が必要です。施工品質による性能差が出やすいため、丁寧な施工管理が求められます。

外断熱と内断熱はどっちがいい?

ここでは、外断熱と内断熱の違いを比較します。新築やリフォームの際には、ぜひ参考にしてみてください。

外断熱と内断熱の見分け方

外断熱か内断熱かは、図面や仕様書の「断熱材の施工位置」を確認することで判断できます。外断熱は構造体の外側に断熱材を施工するスタイルで、建物全体を包み込むような納まりになっているのが特徴です。

一方で内断熱は柱と柱の間に断熱材を充填する構造で、一般的な木造住宅に多く採用されています。完成後は見分けがつきにくいため、計画段階で施工方法を明確にしておくことが重要です。

価格差を比較

一般的に、外断熱は内断熱に比べて建築コストが高くなる傾向があります。断熱材そのものの価格に加えて、外壁の納まりが複雑になり施工手間が増えることが主な理由です。

一方で内断熱は材料費・施工費ともに抑えやすく、コストバランスを重視する住宅で選ばれやすい工法です。ただし断熱性能を高めるための追加施工や仕様によっては、価格差が縮まるケースもあります。

「ダブル断熱」併用もおすすめ

外断熱と内断熱を組み合わせる「ダブル断熱」は、断熱性能をさらに高めたい場合に有効な選択肢です。構造体の外側と内側の両方に断熱層を設けることで、熱橋を抑えながら高い断熱性と気密性を確保できます。

その分コストは上がりますが、省エネ性や快適性を重視する高性能住宅では採用例が増えています。長期的な光熱費や、住み心地を踏まえて検討しましょう。

まとめ

外断熱と内断熱には、それぞれ異なる特徴とメリット・デメリットがあります。外断熱は高い断熱性や結露対策に優れる一方、コストや施工条件に注意が必要です。内断熱はコストを抑えやすく汎用性が高い反面、施工品質や結露対策が重要となります。

どちらが適しているかは、住宅性能の考え方や予算、敷地条件によって異なります。必要に応じてダブル断熱も含めて検討し、暮らしに合った断熱工法を選ぶことが大切です。