50年ローンはやばい?メリット・デメリットを比較

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「50年ローン」についてピックアップします。住宅価格の高騰が続く中、毎月の返済額を抑えられる選択肢として注目されています。一方で「50年ローンはやばいのでは?」と不安を感じる方も少なくありません。
そこで本記事では50年ローンの仕組みや金利の特徴、35年返済との比較シミュレーションを通じて、メリット・デメリットをわかりやすく解説します。
「50年ローン」が拡大中!住宅ローン平均を解説
ここではまず、住宅ローンの平均借入期間や50年ローンが生まれた背景・理由について解説します。
住宅ローンの平均借入期間

国土交通省「令和6年度住宅市場動向調査報告書」によると、新築注文住宅の平均借入期間は「33.9年」です。「フラット35」といった金融商品も従来から利用されており、35年程度の返済期間を見越して計画を立てるケースが多いことが伺えます。
50年ローンが生まれた背景・理由
住宅ローンの返済期間はまだまだ35年が主流ですが、近年、40年・50年といった超長期ローンを選択する方が増えています。背景には、住宅価格の上昇と世帯年収の伸び悩みがあります。
土地・建築費の高騰により、従来の35年ローンでは希望する住宅を購入しにくくなり、返済期間を延ばすことで月々の返済額を抑える動きが広がっています。また共働き世帯の増加や定年延長を見据えて、「長く働き続ける前提」で資金計画を立てるプランも一般化してきました。
こうした環境の変化を受けて、50年ローンが新たな選択肢として広がりつつあります。
50年ローンシミュレーション|返済額を比較

ここでは、50年ローンを組んだ場合のシミュレーションをご紹介します。条件は下記の通りです。
- 元利均等返済
- 毎月返済のみ(ボーナス時返済なし)
- 金利は2.05%全期間固定
4000万円
| 返済期間 | 毎月返済額 | 返済総額 | 利息総額 |
|---|---|---|---|
| 35年 | 約132,000円 | 約55,440,000円 | 約15,440,000円 |
| 50年 | 約106,600円 | 約63,970,000円 | 約23,970,000円 |
4500万円
| 返済期間 | 毎月返済額 | 返済総額 | 利息総額 |
|---|---|---|---|
| 35年 | 約148,500円 | 約62,370,000円 | 約17,370,000円 |
| 50年 | 約119,950円 | 約71,970,000円 | 約26,970,000円 |
5000万円
| 返済期間 | 毎月返済額 | 返済総額 | 利息総額 |
|---|---|---|---|
| 35年 | 約165,000円 | 約69,300,000円 | 約19,300,000円 |
| 50年 | 約133,300円 | 約79,970,000円 | 約29,970,000円 |
7000万円
| 返済期間 | 毎月返済額 | 返済総額 | 利息総額 |
|---|---|---|---|
| 35年 | 約231,000円 | 約97,020,000円 | 約27,020,000円 |
| 50年 | 約186,600円 | 約112,000,000円 | 約42,000,000円 |
いずれの金額でも、50年ローンは毎月返済額を2〜4万円程度下げられることが分かります。その一方で、返済総額は800万〜1,500万円以上増加してしまう点には注意が必要です。借入額が大きくなるほど利息増加額は非常に大きくなり、とくに7,000万円クラスでは、月々4万円軽くなる代わりに、利息が約1,500万円増えてしまいます。
50年ローンのメリット

ここでは、50年ローンのメリットについて解説します。
毎月の返済額が安い
50年ローンは、返済期間を長くすることで毎月の返済額を抑えられるのがメリットです。35年ローンと比べると、同じ借入額でも月々2〜4万円程度負担が軽くなるケースもあり家計の余裕を確保しやすくなります。
教育費や生活費が増えやすい子育て期において、固定費を抑えられることは大きな安心材料となります。
若年層に有利
20代・30代前半といった若年層には、50年ローンが有利な選択肢となります。借入期間を長く設定できるため、年収がまだ高くない段階でも希望エリアや広さの住宅を検討しやすくなることが理由です。
また将来的な昇給や世帯収入の増加を見据えて、若い時期に無理のない返済計画を立てられる点も若年層向きといえます。
団体信用生命保険の加入年数が長くなる
住宅ローンを組む際に加入する団体信用生命保険(団信)は、返済期間中に万一のことがあった場合、残債が保険で弁済される仕組みです。50年ローンでは返済期間が長いため、団信による保障もその分長く続きます。
長期間にわたり家族の住居を守れることで、精神的な安心感につながります。
住宅の設備グレードを上げられる
毎月の返済額を抑えられることで、住宅購入時の予算配分に余裕が生まれます。その結果、キッチンや浴室、断熱性能などの設備・仕様のグレードを上げやすくなる点もメリットです。
これにより、初期費用を理由に妥協せずに住み心地や将来のメンテナンス性を重視した家づくりがしやすくなります。
50年ローンのデメリット・注意点|「やばい」と言われる理由

50年ローンの利用が広がっていますが、デメリットも存在します。事前にチェックしておくことで、トラブルを防ぎましょう。
老後に返済が残るリスクがある
50年ローンは返済期間が非常に長いため、定年後も住宅ローンが残る可能性が高くなります。退職後は収入が年金中心となるため、現役時代より返済負担が重く感じられるケースも少なくありません。繰上返済や借り換えを前提にしていないと老後資金を圧迫するリスクがあるため、長期視点での資金計画が不可欠です。
総返済金額が大きくなる
50年ローンは毎月の返済額を抑えられる一方で、支払う利息の期間が長くなるため、総返済金額は大きくなります。35年ローンと比較すると、借入額や金利によっては総額で1,000万円以上差が出ることもあります。
「月々が楽」という理由だけで選ぶと結果的に負担が大きくなってしまうため、注意が必要です。
50年ローンのよくある疑問

ここでは、50年ローンのよくある疑問について解説します。
50年ローンを払いきる前に死亡したらどうなる?
団体信用生命保険(団信)に加入していれば、返済途中で契約者が死亡または高度障害状態になった場合、残っている住宅ローン残高は保険金で弁済されます。
そのため家族に返済義務は残りませんが、保障内容や特約は金融機関ごとに異なるため、契約前に必ず確認しておきましょう。
50年ローンを組むべき?賃貸にするべき?
長期間住み続ける前提で、将来の収入増や繰上返済を見込める場合には50年ローンも有力な選択肢です。一方で転勤や住み替えの可能性が高い場合や、老後の返済に不安がある場合は、賃貸の柔軟性が安心につながることもあります。
50年ローンが向いているか賃貸が適しているかはライフプランによって異なるため、慎重に検討する必要があります。
50年ローンは何歳までに契約するべき?
50年ローンは返済期間が長いため、契約時の年齢が重要です。一般的に住宅ローンは「完済時年齢80歳未満」を条件とする金融機関が多く、逆算すると30歳前後までに契約するケースが中心となります。
年齢が上がるほど老後返済のリスクが高まるため、若いうちに組み、繰上返済で期間短縮を狙う考え方が現実的です。
まとめ
50年ローンは毎月の返済額を抑えられるため、若年層を中心に利用が広がっています。その一方で総返済額が大きくなり、老後まで返済が残るリスクも抱えています。
とくに借入額が大きいほど、利息負担の差は無視できません。「やばいかどうか」は一概に決まるものではなく、年齢・収入見通し・繰上返済の計画次第で評価は変わります。そのため月々の楽さだけで判断せず、長期的な資金計画を踏まえて慎重に選ぶことが重要です。