子育てグリーン補助金を「マンション」で活用する方法とは|共用部工事はどうする?

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トレンドワード:子育てグリーン補助金×マンション
「子育てグリーン補助金をマンションで活用する方法」についてピックアップします。マンションの共用部は、基本的に個人がリフォームすることはできません。そのため補助金利用の際は、許可等が必要となります。本記事ではマンションでリフォーム補助金を活用する際の具体的な方法をご紹介しているため、ぜひ参考にしてみてください。
子育てグリーン住宅支援事業がスタート

国土交通省・環境省は、「子育てグリーン住宅支援事業」を実施しています。これは「ZEH基準の水準を大きく上回る省エネ住宅」の導入や、既存住宅の省エネ改修等に対する補助金制度です。
これにより2050年カーボンニュートラルの実現に向け、裾野の広い支援を実現しています。補助金額や補助対象について詳しくは、下記記事をご覧ください。
https://housing-news.build-app.jp/article/33790/
子育てグリーン住宅支援事業のリフォーム補助対象は、以下のカテゴリー①~⑧に該当するリフォーム工事です。
【必須工事】
- ①開口部の断熱改修
- ②躯体の断熱改修
- ③エコ住宅設備の設置
【任意工事】
- ④子育て対応改修
- ⑤防災性向上改修
- ⑥バリアフリー改修
- ⑦空気清浄機能・換気機能付きエアコンの設置
- ⑧リフォーム瑕疵保険等への加入
【必須工事①~③】の中から2つ以上のカテゴリーを実施した場合、補助対象となります。ただし【任意工事④~⑧】については、必須工事を実施した場合のみが補助対象です。そしてリフォーム工事全体で「60万円/戸」が補助上限となります。
マンションリフォームでも補助金が使える
子育てグリーン住宅支援事業では、マンションリフォームに対しても補助金を交付しています。条件としては、必須工事(①開口部の断熱改修・②躯体の断熱改修・③エコ住宅設備の設置)に該当するリフォーム工事のうち、2つ以上のカテゴリーのリフォーム工事を実施することが求められます。
しかしマンション等では、工事を実施する箇所が「専有部」であるか「共用部」であるかによって発注者が異なり、2つ以上の必須カテゴリーを満たすのが難しいのがデメリットです。そのため、下記にご紹介する方法で工夫するのがおすすめです。
※下記はあくまでも例のため、工事の実施にあたってはお住まいのマンション等の管理規約等を必ずご確認ください。
マンションリフォームでの活用方法①「開口部の断熱改修」を「内窓設置」とする

どちらの必須工事も「専有部」であれば、居住者単独での発注が可能です。具体例としては、下記のような工事が該当します。
- 必須工事①:開口部の断熱改修 (内窓の設置)
- 必須工事②:エコ住宅設備の設置(高効率給湯器の設置)
申請方法は、下記の手順となっています。
- 居住者において必須工事①、②を事業者へ発注
- 事業者が「グリーン住宅支援事業者」に登録し、交付申請を提出
マンションリフォームでの活用方法②マンション等の管理規約等の改訂を管理組合に求める

「内窓設置」以外の方法で「開口部の断熱改修」を行う場合は、共用部である外窓等の工事が必要です。具体例としては、下記のような工事が該当します。
- 必須工事①:開口部の断熱改修 (外窓の交換)
- 必須工事②:エコ住宅設備の設置(高効率給湯器の設置)

まずはお住まいのマンション等の管理規約等をご確認ください。管理規約等に上図のような記載があれば、居住者であっても外窓等の共用部の工事発注が可能となるケースがあります。その場合の手順は、下記の通りです。
- 居住者において必須工事①、②を事業者へ発注
- 事業者が「グリーン住宅支援事業者」に登録し、交付申請を提出
一方で居住者では外窓等の共用部の工事を発注できない内容である場合は、下記手順となります。
- 理事会に外窓等の共用部の戸別改修を可能とする「要望書」を提出
- 理事会において要望を可決し、管理規約等を改訂(外窓等の共用部の戸別改修が可能になる)
- 居住者において必須工事①、②を事業者へ発注
- 事業者が「グリーン住宅支援事業者」に登録し、交付申請を提出
マンションリフォームでの活用方法③管理組合に対して一括発注を依頼する

複数の住戸の工事を一括して発注する場合、一括での交付申請が可能です。管理組合に対して一括発注を依頼すれば、より効率的な省エネリフォームが実現します。具体例としては、下記のような工事が該当します。
- 必須工事①:開口部の断熱改修(玄関ドアの交換)
- 必須工事②:エコ住宅設備の設置(高効率給湯器の設置)
申請方法は、下記の通りです。
- マンション等の管理規約等を、以下のような記載へ理事会で改訂する
- 「希望する居住者(区分所有者)の同意を得た場合には、同意した区分所有者の住戸について、共用部とあわせて実施する専有部の改修工事の発注を、管理組合が行うことができる。」
- 管理組合において、必須工事①、②を事業者へ発注
- 事業者が「グリーン住宅支援事業者」に登録し、交付申請を提出
まとめ
子育てグリーン住宅支援事業では、マンションリフォームも補助金対象になっています。ただし共用部の工事には許可が必要な場合もあるので、今回ご紹介した手続きをぜひ活用してみてはいかがでしょうか。