2026ZEHコーディネーターとは|新ZEH基準や概要まとめ

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Category: 住宅業界動向

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「ZEHコーディネーター」についてピックアップします。2026年にスタートする資格制度で、断熱・太陽光・蓄電池などZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)に関する知識を体系的に習得し、省エネ住宅の普及を支援する専門資格です。

背景には、2030年までに新築住宅の平均でZEH水準を実現するという政府方針があります。本記事ではZEHコーディネーター制度の概要や新ZEH基準、地域型ZEHの最新動向を分かりやすく解説します。

2026「ZEHコーディネーター」が新設

出典:一般財団法人家電製品協会  認定センター,ZEHコーディネーター資格プレサイト,https://www.aeha.or.jp/nintei-center/special/zeh-coordinator/,参照日2025.8.6

2026年より、新資格制度「ZEHコーディネーター」が開始されます。これは家電製品協会による資格で、断熱性、太陽光発電、蓄電池などZEHの諸知識から、補助金の活用方法までを体系的に学べるのが特徴です。

2027年のZEH定義改正を見据えて、幅広い業種での活用が期待されています。

ZEHコーディネーターとは

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出典:一般財団法人家電製品協会  認定センター,ZEHコーディネーター資格プレサイト,https://www.aeha.or.jp/nintei-center/special/zeh-coordinator/,参照日2025.8.6

ここではZEHコーディネーターの概要について、分かりやすく解説します。

ZEHコーディネーター資格の概要

ZEHコーディネーター資格の概要は、下記の通りです。

  • 新資格名称:ZEHコーディネーター
  • 受験資格:なし
  • 試験スケジュール:毎年2 回(9月・3月)実施(第1回試験:2026年9月)
  • 試験方式:CBT方式試験
  • 試験科目:1科目
  • 資格の有効期限:資格交付日より5 年間(資格更新制度あり)
  • 受験料:14,000 円(税込・電子テキスト・講義用WEB動画込み)

ZEHコーディネーター資格の認定要件

ZEHコーディネーター資格の認定要件は、下記の通りです。

  • 国の省エネ住宅制度をわかりやすく説明できる。
  • GX ZEHなど、新ZEHの定義をわかりやすく説明できる。
  • 省エネ住宅制度に関する補助金を理解し、整理して体系立てて説明できる。
  • 高性能断熱窓など、省エネ住宅に欠かせない断熱の知識を習得している。
  • 太陽光発電システムおよびその導入効果をわかりやすく説明できる。
  • 住宅用蓄電システムおよびその導入効果をわかりやすく説明できる。

ZEHコーディネーター取得がおすすめな職種

出典:一般財団法人家電製品協会  認定センター,ZEHコーディネーター資格プレサイト,https://www.aeha.or.jp/nintei-center/special/zeh-coordinator/,参照日2025.8.6

ZEHコーディネーター資格は、工務店やハウスメーカーの新築・リフォーム営業担当者だけでなく、家電販売業者、建築士、電気工事士など幅広い職種におすすめです。

「GX志向型住宅」「新ZEH」などの省エネ住宅制度や補助金への理解を深めることによって、お客さまにわかりやすく説明できるセールストークを学べます。価格戦略や、補助金の有効活用など、営業の可能性を広げる「実践力」が身につきます。

ZEHの種類が拡大|新しいZEH基準を紹介

ZEHコーディネーター資格新設の背景には、「2030年までに新築住宅の平均でZEH水準を実現」「2050年カーボンニュートラル達成」といった政府目標があります。

ここでは、新しいZEH基準の具体事例をご紹介します。

新ZEH基準|2027年4月より導入

出典:経済産業省,第48回 総合資源エネルギー調査会 省エネルギー・新エネルギー分科会 省エネルギー小委員会,https://www.meti.go.jp/shingikai/enecho/shoene_shinene/sho_energy/048.html,参照日2025.10.16

脱炭素社会を見据え、ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)の定義が見直されます。具体的には2027年から導入予定の「新ZEH基準」では、断熱性能を現行の等級5から6以上へ、一次エネルギー消費量削減率を約35%へと引き上げる方向で検討が進んでいます。

さらにHEMSや蓄電池の導入を求めるなど、エネルギーの“使い方”を最適化する要件も強化されるのが特徴です。これにより、ZEHは単なる「高断熱・創エネ住宅」から「自立型エネルギー住宅」へと進化します。

2026年開始の新ZEH基準については、下記記事をご覧ください。

雪国型ZEH|新潟県が推奨

出典:新潟県,新潟県の気候を踏まえて断熱性能を高めた住宅「雪国型ZEH」,https://www.pref.niigata.lg.jp/sec/kankyoseisaku/0547356.html,参照日2025.10.16

新潟県では、気候特性に適したより高い断熱性能を持つ「雪国型ZEH」を推奨しています。寒冷・多雪地域の住宅特性を反映した「雪国型ZEH」は、新潟県が先行して推奨する地域版ZEHです。

出典:新潟県,新潟県の気候を踏まえて断熱性能を高めた住宅「雪国型ZEH」,https://www.pref.niigata.lg.jp/sec/kankyoseisaku/0547356.html,参照日2025.10.16

雪国型ZEHのエネルギー推奨性能は、以下の通りです。

  • 断熱性能はHeat20の基準のG1以上とする
  • 気密性能基準はHeat20で推奨されているC値1.0以下とする
  • 太陽光発電設備について、設置可能な場合は原則導入するものとする

新潟県独自の補助金制度である「新潟県雪国型ZEH等導入促進補助金」では、断熱改修や蓄電池設置に最大65万円を支援するなど、導入コストの負担軽減も図られています。地域に適したZEHの方向性を示す先行事例といえます。

【参考】新潟県|新潟県雪国型ZEH等導入促進補助金

まとめ

2026年に新設されるZEHコーディネーター資格は、省エネ住宅の専門知識を持つ人材を育成し、脱炭素社会の実現を後押しする新たな仕組みです。2027年の新ZEH基準導入や、雪国型ZEHなど地域特性を踏まえた住宅の普及には、専門的な知見と丁寧な顧客対応が欠かせません。

資格取得により補助金や省エネ制度への理解を深め、より信頼性の高い提案力に活かしてみてはいかがでしょうか。