対面式キッチンにリフォーム|補助金やビフォーアフター事例まとめ

目次
トレンドワード:対面キッチンリフォーム

「対面キッチンリフォーム」についてピックアップします。最近はリフォームで「対面式キッチン」に変更するケースが増えており、開放感のあるLDKや家族とのコミュニケーションを重視した住まいづくりが人気です。
そこで本記事では、対面式キッチンの特徴やメリット・注意点に加え、リフォーム費用や補助金制度、ビフォーアフター事例まで分かりやすく解説します。
対面式キッチンリフォームが人気!

最近のリフォームでは「対面式キッチン」が非常に人気を集めています。料理をしながら家族と会話したり、子どもの様子を見守れたりする点が魅力です。
また従来の壁付けキッチンに比べて開放感があり、リビングやダイニングとの一体感を演出できます。収納や動線の工夫次第で効率的に使えるため、リフォームすれば暮らしやすさも大幅に向上します。
対面式キッチンとは
対面式キッチンとは、調理スペースがリビングやダイニングに向かって配置されたキッチンのことを指します。「子育てグリーン住宅支援事業」では、下記のように定義されています。
「配置や形状に関わらず、シンク・調理台・コンロにそれぞれ正対して立った位置から、左右90度を見渡した時に、リビングとダイニングの両方またはいずれかの過半を視認できる位置が2箇所以上ある」
代表的なスタイルとしては、カウンターを備えた「ペニンシュラ型」や回遊性のある「アイランド型」があります。デザイン性だけでなく、家族とのコミュニケーションや視線の抜けによる開放感も得られるため、子育て世帯や共働き家庭を中心に幅広く人気です。
対面式キッチンリフォームのビフォーアフター事例


出典:子育てグリーン住宅支援事業,キッチンセットの交換を伴う対面化改修工事の基準,https://kosodate-green.mlit.go.jp/reform/point4.html,参照日2025.9.30
従来までのキッチンは、シンク・調理台・コンロのうち2箇所以上が壁に面して設置されている間取りが多く見られました。


出典:子育てグリーン住宅支援事業,キッチンセットの交換を伴う対面化改修工事の基準,https://kosodate-green.mlit.go.jp/reform/point4.html,参照日2025.9.30
しかし対面式キッチンにリフォームすることで、開放的な間取りが実現します。
対面式キッチンのメリット

ここでは、対面式キッチンのメリットについて解説します。最近では、新築の間取りだけでなくリフォームでも人気が高まっています。
LDK空間が広く感じられる
対面式キッチンは壁で仕切られておらず、リビング・ダイニングとつながる間取りが多いのが特徴です。これにより、視線が抜けて空間を広く感じられるのが魅力です。
限られた床面積でも開放感があり、明るくのびやかな印象を演出できます。キッチンを住まいの中心に配置することでインテリアの一体感も高まり、リフォームすれば住宅全体の雰囲気が大きく変わります。
家事動線が効率的
対面式キッチンはシンクやコンロ、冷蔵庫の配置を工夫しやすく、効率的な家事動線を確保しやすいのが特徴です。ダイニングやリビングへの配膳もスムーズで、家族に料理や片付けを手伝ってもらいやすくなります。
また回遊性のあるアイランド型を選べば複数人で作業してもぶつかりにくく、調理や片付けが快適になります。
コミュニケーションが取りやすい
対面式キッチンはリビングやダイニングに向かって作業できるため、調理中でも家族や来客と自然に会話ができるのが大きな魅力です。とくに小さなお子さまの様子を見守りながら家事を進められるので、子育て世帯にも人気があります。
またカウンターを設ければ食事や宿題のスペースとしても活用でき、家族の集まる時間を増やすきっかけになります。
対面式キッチンリフォームの補助金
ここでは、対面式キッチンリフォームで使える補助金制度をご紹介します。上手に活用することで、費用負担を大幅に軽減できます。
2025子育てグリーン住宅支援事業

出典:国土交通省・環境省,子育てグリーン住宅支援事業,https://kosodate-green.mlit.go.jp/,参照日2025.9.30
国土交通省・環境省は、「子育てグリーン住宅支援事業」を実施しています。これは「ZEH基準の水準を大きく上回る省エネ住宅」の導入や、既存住宅の省エネ改修等に対する補助金制度です。
これにより2050年カーボンニュートラルの実現に向け、裾野の広い支援を実現しています。補助金額や補助対象について詳しくは、下記記事をご覧ください。
概要
補助対象は、以下のカテゴリー①~⑧に該当するリフォーム工事です。
【必須工事①~③】の中から2つ以上のカテゴリーを実施した場合、補助対象となります。そして【任意工事④~⑧】については、必須工事を実施した場合のみ補助対象となります。
【必須工事】
- ①開口部の断熱改修
- ②躯体の断熱改修
- ③エコ住宅設備の設置
【任意工事】
- ④子育て対応改修
- ⑤防災性向上改修
- ⑥バリアフリー改修
- ⑦空気清浄機能・換気機能付きエアコンの設置
- ⑧リフォーム瑕疵保険等への加入
補助金額・申請期限
「④子育て対応改修」の中に「キッチンセットの交換を伴う対面化改修工事」が含まれます。工事基準は、下表の通りです。
設備 | 以下①~④のすべてを有する①キッチン用シンク(給排水設備と接続されていること)②調理台③コンロ (IH クッキングヒーター含む)④調理室用の換気設備 |
レイアウト | 改修前:「改修後」に該当しないもの。改修後:①から③の少なくとも2つ以上の設備に正対して立った位置から、リビングまたはダイニングの過半を見渡すことができる。 |
- 補助金額:91,000円/戸

出典:子育てグリーン住宅支援事業,キッチンセットの交換を伴う対面化改修の対象について,https://kosodate-green.mlit.go.jp/assets/doc/kitchen_taimenka.pdf,参照日2025.9.30
キッチンセットの交換を伴う対面化改修は、改修『前』と改修『後』にそれぞれ要件があるため注意しましょう。例えば既存のキッチンとは別に、新たに対面キッチンを設置する工事は補助対象です。しかし改修前の既存のキッチンがすでに対面である場合は、対象になりません。
そして1戸あたりの補助上限金額は、以下の通りです(対象工事①~⑧の合計)。
- Sタイプ(必須工事①~③のすべて実施):上限60万円/戸
- Aタイプ(必須工事①~③のうち、いずれか2つ実施):上限40万円/戸
交付申請受付期間は、「申請受付開始~予算上限に達するまで(遅くとも2025年12月31日まで)」となっています。
【参考】子育てグリーン住宅支援事業|キッチンセットの交換を伴う対面化改修の対象について
令和7年度 長期優良住宅化リフォーム推進事業

出典:国土交通省,令和7年度長期優良住宅化リフォーム推進事業,https://r07.choki-reform.mlit.go.jp/,参照日2025.9.30
国土交通省は、「令和7年度 長期優良住宅化リフォーム推進事業」を実施しています。具体的には、インスペクション、性能の向上を図るリフォームや三世代同居等の複数世帯の同居への対応に資するリフォーム、適切なメンテナンスによる既存住宅ストックの長寿命化に資する優良な取り組みに対し、補助金を交付する事業です。
これにより、既存住宅ストックの質の向上及び子育てしやすい環境や防災性、レジリエンス性の向上の整備を図ることが目的です。
概要

出典:国土交通省,令和7年度長期優良住宅化リフォーム推進事業,https://r07.choki-reform.mlit.go.jp/,参照日2025.9.30
補助対象は、下記1)と2)の合計です。
1)リフォーム工事に係る補助額
a.特定性能向上リフォーム工事
b.その他性能向上リフォーム工事
c.三世代同居対応改修工事
d.子育て世帯向け改修工事
e.防災性の向上、レジリエンス性の向上改修工事
2)インスペクション等に係る補助額
① リフォーム工事に先立って行う既存住宅のインスペクションに要する費用
② リフォーム工事の履歴情報の作成に要する費用
③ 維持保全計画の作成に要する費用
④ リフォーム瑕疵保険の保険料
このうち対面式キッチンリフォームは、下記の項目に該当します。
- 三世代同居対応改修工事 調理室の増設
- 子育て世帯向け改修工事 対面式キッチンへの移設・交換工事
補助金額・申請期限
補助額は、「80~160万円/戸」です。ただし以下の場合、50万円が加算されます。
- 三世代同居対応改修工事を実施する場合
- 若者・子育て世帯が改修工事を実施する場合
- 既存住宅を購入し改修工事を実施する場合
そして完了実績報告期間は「令和8年2月20日まで」となっています。
対面式キッチンリフォームの注意点

ここでは、対面式キッチンリフォームの注意点について解説します。
収納スペースの確保が必要
対面式キッチンは開放感がある一方で、壁面が少ないため吊り戸棚などの収納が設置しにくい場合があります。収納量が不足すると作業台に物があふれ、スッキリした空間が雑然としてしまうこともあり注意が必要です。
そのため背面にカップボードを置いたり、パントリーを設けたりと収納計画を工夫しましょう。リフォーム前に生活スタイルに合った収納量を見極めておくことが重要です。
マンションだとリフォーム不可の場合がある
マンションでは構造や管理規約により、キッチンの位置変更や対面式へのリフォームができないケースがあります。とくに排水管の勾配や床の構造が制約となる場合が多く、工事範囲に制限があることも少なくありません。
もし無理に計画を進めると、後からトラブルにつながる恐れがあります。そのため事前に管理組合や施工会社へ確認し、実現可能なプランを検討することが必要です。
配管の位置変更には注意
対面式キッチンにするには、給排水やガス管、電気配線の位置を変更する工事が必要になる場合があります。とくに排水管は勾配を確保しなければならず、床をかさ上げしたり、配管ルートを工夫したりする必要が生じることがあります。
その分、工事費用や工期が増える可能性もあるため注意が必要です。リフォーム前に専門業者へ現地調査を依頼し、実現性とコストを確認しておくと安心です。
まとめ
対面式キッチンへのリフォームは、空間の広がりや家事動線の改善、家族との交流など多くのメリットがあります。ただし収納計画や配管工事、マンションでの制約など注意すべき点もあるため、事前の確認と計画が重要です。
また補助金を活用すれば、理想のリフォームを実現しやすくなります。ライフスタイルに合った対面式キッチンで、快適で楽しい住まいづくりを実現しましょう。