2025リフォーム支援制度まるわかりガイドとは|国交省特設サイトを解説

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トレンドワード:2025リフォーム支援制度まるわかりガイド
「2025リフォーム支援制度まるわかりガイド」についてピックアップします。国や自治体では、住宅の性能向上を目的とした補助制度や税制優遇を多数用意しており、これらを上手に活用することで施主の費用負担を軽減できます。
本記事では、国土交通省が提供する「リフォーム支援制度まるわかりガイド」の内容をもとに、リフォーム事業者が知っておくべき3つのステップを解説します。実践的な知識を身に付けて、提案力の向上にお役立てください。
2025国土交通省「リフォーム支援制度まるわかりガイド」をオープン
国土交通省は、2025年7月に「リフォーム支援制度まるわかりガイド」を開設しました。「住宅省エネ2025キャンペーン」といった補助金事業について分かりやすく解説しているだけでなく、併用できる減税制度についても触れられています。
消費者・事業者の両方に向けたページが設けられているのが特徴です。
①消費者向けサイト
消費者向けサイトでは、補助制度活用のポイントとして下記の点が紹介されています。
- Point①:補助金は「国」「地方自治体」の2つを確認しよう
- Point②:「省エネリフォーム」への支援が手厚い!3省連携の補助事業を確認しよう
- Point③:「長期にわたり良好な状態」で住み続けるためのリフォーム支援制度に注目!
「自宅のリフォームで使える補助金の種類が分からない…」という方にも分かりやすい内容で、「住宅省エネ2025キャンペーン」を利用したい場合にも活用できます。
②事業者向けサイト
事業者向けサイトでは、リフォーム業者の方が一般のお施主様に案内する際に役立つ内容がまとめられています。
具体的には適用可否と減税額を詳細にシミュレーションできる他、増改築等工事証明書の発行方法についても確認できるのが特徴です。もちろん一般のお施主様も活用できるため、自分で比較検討したい場合におすすめです。
リフォーム事業者が知るべきポイント|提案力アップ!
ここでは、リフォーム事業者の方向けに「リフォーム支援制度まるわかりガイド」の内容を分かりやすく解説します。しっかりと把握することで、提案力アップにお役立てください。
ステップ①「補助制度+減税制度」をセットで活用
リフォーム支援には、国や自治体の「補助金制度」と所得税・固定資産税などの「減税制度」があります。どちらも併用することで、負担を大幅に軽減可能です。
とくに断熱・バリアフリー・耐震改修などは対象工事が重なる場合も多いため、複数制度の組み合わせ提案が重要となります。制度の最新情報を把握して提案することで、顧客満足と契約率アップにつながります。
ステップ②適用可否と減税額をシミュレーション
国土交通省の特設サイトでは、制度の適用可否や想定される減税額を簡易にシミュレーションできるツールが用意されており、事前確認に便利です。リフォームの内容や住宅の状況に応じて、適用可能な制度や減税額が変わるため注意しましょう。
「いくら戻るか」という点を具体的に示せることで、信頼感と提案力が向上します。打ち合わせ段階での活用が効果的です。
ステップ③増改築等工事証明書の発行方法を確認
所得税減税を受けるには、「増改築等工事証明書」の提出が必要です。この証明書は、工事を担当した建築士や指定機関が発行します。
ただし発行には工事内容が一定の基準を満たしている必要があり、図面や契約書などの提出が求められます。事前に要件を確認して必要書類を整えておくことで、スムーズな対応が可能です。
ステップ①補助制度+減税制度
ここではまず、「補助制度+減税制度」について分かりやすく解説します。
リフォームの補助金を整理
ここでは、国が実施しているリフォーム補助金について整理します。
住宅省エネ2025キャンペーン
国では、既存住宅の省エネリフォームにおける3省(国土交通省・経済産業省・環境省)連携事業の 「住宅省エネ2025キャンペーン」を実施しています。
具体的な補助金額は、上図の通りです。各事業は組み合わせて利用することが可能で、申請は事前に登録を受けたリフォーム業者などが実施します。
【参考】住宅省エネ2025キャンペーン
長期優良住宅化リフォーム推進事業
「長期優良住宅化リフォーム推進事業」についても、国が実施する補助金事業です。具体的な補助金額は、認定長期優良住宅型は「160万円/戸」、評価基準型は「80万円/戸 等」となっています。
国・自治体の減税制度を整理
ここでは、減税制度について解説します。具体的には、下記のポイントについて注意が必要です。
- 「住宅ローン減税(増改築)」と「リフォーム促進税制」の違いを確認!
- 適用にあたっては、①減税を受ける方、②対象の住宅、③工事内容、④工事金額の4つの要件を確認!
- 対象工事メニュー、工事箇所から適用できる制度を確認!
住宅ローン減税
住宅ローン減税は、「所得税」「住民税」が対象です。具体的には10年以上の住宅ローンを利用して一定のリフォームをした場合「最大10年間、各年末の住宅ローン残高の0.7%」が控除されます。
ただし、対象工事の金額から補助金を引いた金額が100万円以上の場合適用可能となるため注意しましょう。
リフォーム促進税制
リフォーム促進減税では、「所得税」「固定資産税」が減税されます。こちらは、住宅ローンの利用有無に関係なく活用可能です。
対象工事ごとに、それぞれ適用要件の異なる6つの減税制度(耐震リフォーム、バリアフリーリフォーム、省エネリフォーム、三世代同居対応リフォーム、長期優良住宅化リフォーム、子育て対応リフォーム)があります。そして工事内容に応じて、最大60~80万円が所得税額から控除、1/3~2/3に相当する固定資産税額が減額される制度です。
ステップ②シミュレーション
補助金申請前に、適用可否や減税額をシミュレーションしておくと安心です。
適用可否と減税額をシミュレーション
リフォームで活用できる減税制度の適用要件には、下記の要件があります。
- ①減税適用を受ける方
- ②対象の住宅
- ③工事内容
- ④工事金額
「シミュレーション1」では、質問に答えることで「適用の可能性がある減税制度」が表示されます。そして「シミュレーション2」では、控除金額(目安)が表示されます。
ただし住宅ローン減税(増改築)については、シミュレーション1にて適用可否のみ確認可能です。対象工事、工事金額の要件については別途確認が必要となります。
補助金シミュレーションモデル事例①所得税
ここでは、上図を例にリフォームを支援する補助金と減税制度を活用したモデルケースを紹介します。リフォーム促進税制における所得税・固定資産税の控除金額の計算方法について、詳しく確認してみましょう。
「所得税」については、対象工事限度額の範囲内で標準的な費用相当額の10%が所得税額から控除されます。そして対象工事限度額超過分については、一定の範囲で5%の税額控除が可能です。
①条件を確認
まずは、補助金条件に該当しているか条件を確認しましょう。
ここでの「標準的な工事費用相当額」とは、減額対象工事ごとに定められている工事金額を指します。リフォーム促進税制における所得税の減税適用の控除金額を計算する際には、実際の工事費用ではなく、標準的な工事費用相当額を用いて計算する決まりです。
②・③[10%][5%]減税対象工事の控除対象金額候補を出す
次に、減税対象工事の控除対象金額候補を抽出します。
④・⑤[10%][5%]減税対象工事の控除対象金額を出す
最後に10%控除対象金額と、超過分の5%対象金額について算出します。
ただし所得税額からの控除額については、リフォーム工事完了後の居住を開始した年の個人の所得税額によって異なるため注意が必要です。
補助金シミュレーションモデル事例②固定資産税
固定資産税の減税については「課税標準額×1.4%×減税割合」で算出できます。
①適合要件を確認
各補助金によって、適合要件が設けられています。たとえばバリアフリー改修の場合「工事に要した費用から補助金等を差し引いた額が、50万円(税込)を超えていること」といった要件を満たす必要があります。
②課税標準額を出す
次に、課税標準額を算出します。減額対象となる床面積の上限は、それぞれ下記の通りです。
- バリアフリー=100㎡
- 耐震、省エネ、長期優良住宅化=120㎡
③減額の合計を出す
最後に、減税の合計を算出します。工事箇所の減税割合と期間は、下表の通りです。
リフォーム工事の内容によって減税割合が異なるため、注意しましょう。
ステップ③増改築等工事証明書
減税申請時には、増改築等工事証明書その他必要な証明書の提出が求められます。証明書発行には必要に応じて現地調査(工事前後)が必要なので、事前に現地調査の要否を確認しておきましょう。
「増改築等工事証明書」とは
リフォーム促進税制(所得税・固定資産税)や住宅ローン減税(増改築)の利用時には、「増改築等工事証明書」が必要です。国土交通省サイトにて様式をダウンロードできるため、ぜひ活用してみましょう。
【参考】国土交通省|証明書【リフォーム減税(所得税・固定資産税)住宅ローン減税(増改築)】
申請方法
増改築等工事証明書は、以下のいずれかに該当する方が発行できます。
- 1.登録された建築士事務所に所属する建築士の方
- 2.指定確認検査機関に所属する建築士又は建築基準適合判定資格者の方
- 3.登録住宅性能評価機関に所属する建築士又は建築基準適合判定資格者の方
- 4.住宅瑕疵担保責任保険法人に所属する建築士又は建築基準適合判定資格者の方
しかし実際に申請するのは、一般消費者の方となっています。そのため証明書の発行をご希望の消費者の方は、上記の発行主体に発行を依頼する必要があります。
まとめ
「住宅省エネ2025キャンペーン」等のリフォーム補助金は減税制度との併用が可能です。そのため事前に適用可否のシミュレーションや、証明書発行まで正しく理解して活用することが大切です。
制度は毎年内容が更新されるため、最新情報のチェックや社内での共有も欠かせません。本記事を参考に、ぜひ制度を味方につけたリフォーム提案を実現してみてはいかがでしょうか。