2025先進的窓リノベ事業の申請方法|登録事業者必見!書類や対象工事まとめ

トレンドワード:2025先進的窓リノベ事業
「2025先進的窓リノベ事業」についてピックアップします。近年、住宅の省エネ化・断熱性能向上への関心が高まる中、国の補助金制度である「2025先進的窓リノベ事業」が注目されています。
窓リフォームに対して補助金が公布される本制度は、工事会社・住宅会社にとってビジネスチャンスです。登録事業者として対応することで、お客様満足度向上や受注拡大につなげてみてはいかがでしょうか。
2025先進的窓リノベ事業とは
先進的窓リノベ2025事業とは、先進的な断熱窓の導入を加速するための補助金事業です。リフォームで既存住宅の省エネ化を図り、エネルギー費用負担の軽減及び住まいの快適性の向上を図ります。
これにより2030年度の家庭部門からのCO2排出量66%削減、「ウェルビーイング/高い生活の質」の実現に貢献することを狙いとしています。
また窓の断熱性能を高めることで熱の流入を抑え、屋内の快適性を維持しやすくなるのも大きなメリットです。冷房効率も向上するので、省エネを実現しながら熱中症対策を図れます。
2025先進的窓リノベ事業の対象工事
対象箇所 | 工事内容 |
---|---|
ガラス交換 | 既存窓のガラスのみを取り外し、既存サッシをそのまま利用して、 複層ガラス等に交換する工事 |
内窓設置 | 既存窓の内側に新たに窓を新設するもの、 または既存の内窓を取り除き、新たな内窓に交換する工事ただし外皮部分に位置する既存外窓(ドア)の開口面から屋内側へ50cm以内に平行に 設置するものに限る |
外窓交換(カバー工法) | 既存窓のガラスを取り外し、既存窓枠の上から新たな窓枠を覆い被せて取り付け、 複層ガラス等に交換する工事 |
外窓交換(はつり工法) | 既存窓のガラスおよび窓枠を取り外し、新たな窓枠を取り付け、 複層ガラス等に交換する工事 |
ドア交換(カバー工法) | 既存ドアについて枠を残して取り除き、既存枠の上から新たな枠を取り付け、 ドアを交換する工事 |
ドア交換(はつり工法) | 既存ドアを枠ごと取り外し、新たな枠を取り付け、ドアを交換する工事 |
- *1 障子枠(ガラス+フレーム)のみの交換(枠を交換しないまたは新たに設置しない)は、「ガラス交換」として取り扱う。
- *2 ドア板の一部を構成するガラスを交換しても、本事業の「ガラス交換」には該当しない。
- *3 ドアに対する「内窓設置」については他の窓の工事と同一の契約であり、同時に申請する場合のみ本事業の補助対象。
- *4 「ドア交換」については、他の窓の工事と同一の契約であり、同時に申請する場合のみ補助対象。
- *5 「外皮部分」とは、外壁ライン上にある熱的境界。
- *6 「開口面」とは、外窓(複数のサッシで構成された出窓を含む)やドアを設置するために外壁に空けられた開口に対して周囲の壁面を延長してできる面。
- *7 対象製品であっても、メーカーが保証しない工法により取り付けられた場合は本事業の補助対象にならない。(はつり工法専用製品をカバー工法により設置する等)
補助金の交付を受けるには、事務局に登録された「補助対象製品」から選定する必要があります。詳しくは、公式サイトをご確認ください。
2025先進的窓リノベ事業の補助金額
2025先進的窓リノベ事業の補助金額は、「一戸当たり200万円」が上限です。これは製品の性能と大きさ、および設置する住宅の建て方に応じた金額の「合計」となります。
各工事における補助金額は、下表の通りです。
対象箇所 | 補助金額 |
---|---|
ガラス交換 | 1枚につき5,000円~55,000円 |
内窓設置 | 1箇所につき12,000円~106,000円 |
外窓交換(カバー工法) | 1箇所につき58,000円~266,000円 |
外窓交換(はつり工法) | 1箇所につき46,000円~266,000円 |
ドア交換(カバー工法) | 1箇所につき58,000円~266,000円 |
ドア交換(はつり工法) | 1箇所につき46,000円~266,000円 |
- *1 本事業と子育てグリーン住宅支援事業に分けて申請する場合でも、本事業単独で申請する補助額は5万円以上とする。(両事業の補助額は合算不可)
- *2 ガラス交換は箇所数ではなく、交換するガラスの枚数を乗じて算出。ドアに付くガラスのみを交換する改修は非対象。
2025先進的窓リノベ事業はいつから?締切時期
補助対象期間や交付申請期間は、下表の通りです。
工事請負契約日の期間 | 工事着手日以前 |
工事着手日の期間 | 2024年11月22日以降に対象工事に着手したもの (対象工事とは、断熱窓への改修を含むリフォーム工事全体) |
工事完了期間 | 遅くとも2025年12月31日まで |
交付申請期間 | 申請受付開始~予算上限に達するまで(遅くとも2025年12月31日まで) |
交付申請の予約期間 | 申請受付開始~予算上限に達するまで(遅くとも2025年11月14日まで) |
交付申請は、予算上限に応じて締め切られるため注意しましょう。「予算に対する補助金申請額の割合」にて随時申請状況が公表されていますが、なるべく早めの申請がおすすめです。
【参考】2025先進的窓リノベ事業|予算に対する補助金申請額の割合
「窓リノベ事業者」の要件
2025先進的窓リノベ事業は、一般消費者の代わりに施工業者である「窓リノベ事業者」が交付申請手続きする仕組みです。補助金の交付を受けた窓リノベ事業者は、下記①②いずれかの方法で補助対象者に還元します。
- ①補助事業に係る契約代金に充当
- ②窓リノベ事業者から工事発注者に現金で支払う
窓リノベ事業者の登録要件は、下表の通りです。
法人、個人事業主 | 法人の場合は、国内に法人登記された法人であること個人事業主の場合は、日本国内に住民登録されていること(国籍は不問) |
環境 | インターネット環境を有し、 事務局が提供する「住宅省エネポータル」を利用できること |
許認可 | 本事業の取り扱いに関連する法令に従い、必要な許認可を受けていること |
振込口座 | 本補助金の受取口座が、日本国内に支店を有する金融機関の口座であること |
言語 | 日本語を用いて事務局との連絡、交付申請等の提出書類の作成ができること |
規約類の遵守 | 本事業の交付規程、登録規約、その他事務局が交付申請の手引き等に定める事項を遵守して事業を行うこと |
事業者の登録 | 「住宅省エネ支援事業者」として登録されている事業者であること |
2025先進的窓リノベ事業の補助金を利用する際には、住宅省エネ2025キャンペーンのホームページから事業者登録しましょう。登録が完了すると、「補助金利用を相談できる事業者」としてキャンペーンサイトへの掲載が可能です。
事業者登録の詳しい方法については、次項をご確認下さい。
2025先進的窓リノベ事業の登録・申請手続方法|事業者必見!
ここでは2025先進的窓リノベ事業の事業者登録や申請手続の方法について、分かりやすく解説します。とくに事業者の方は、補助金申請時にご活用ください。
①住宅省エネポータルのアカウントを取得
2025先進的窓リノベ事業の手続きは、一般消費者ではなく窓リノベ事業者(リフォーム工事を受注する施工業者等)が実行します。まずは、補助金事務局が提供しているWEBシステムである「住宅省エネポータル」に登録しましょう。
目的と利用者に応じて「統括アカウント」と「担当者アカウント」の取得が必要です。各アカウントの主な機能は、下表の通りです。
機能 | 統括アカウント | 担当者アカウント |
---|---|---|
事業者登録 | ○ | × |
各事業への参加申告 | ○ | × |
公表情報 | ○ | × |
交付申請 | × | ○ |
補助金振込口座 | ○ | × |
入金管理 | ○(すべての交付申請) | ○(担当している交付申請のみ) |
【統括アカウントの登録はこちら】統括アカウント 住宅省エネ支援事業者登録用 アカウント発行依頼
【担当者アカウントの登録はこちら】担当者アカウント交付申請用 アカウント発行依頼
②窓リノベ事業者に登録
「窓リノベ事業者」とは、一般の補助対象者に代わって補助金に申請する施工業者等のことを指します。事業者登録はポータル上で申請可能ですが、「統括アカウント」から下表の書類を提出する必要があります。
書類名称 | スキャン | 備考 |
---|---|---|
住宅省エネ支援事業者登録申請書 | 白黒可 | ・ポータルに必要情報を登録後、出力可能。 ・代表者による押印が必要。 ・すべての事業者が提出。 |
印鑑証明書 | 白黒可 | ・管轄の法務局で入手。 ・登録申請書と印影を照合。 ・住宅省エネ2024キャンペーンから継続して参加する事業者で、登録情報に変更がない場合は流用可能。 |
(法人の場合のみ)法人の登記事項証明書 | 白黒可 | ・管轄の法務局で入手(現在事項が確認できるもの ) ・住宅省エネ2024キャンペーンから継続して参加する事業者で、登録情報に変更がない場合は流用可能。 |
③登録事業者の公表(キャンペーンサイト)
希望する場合には、「登録事業者」としてキャンペーンサイトで公表できます。ただし公表にあたっては、営業拠点の公表など消費者からの問い合わせに対応できる体制の整備が必要です。
公表の設定は「統括アカウント」内の「③公表情報」のページから可能です。
④開口部のリフォームに係る工事請負契約の締結
ここから、「担当者アカウント」に関する業務内容となります。本事業の対象製品を利用したリフォーム工事について、施工業者(窓リノベ事業者)と工事発注者(共同事業者)が工事請負契約を締結します。
工事請負契約の締結は、工事金額の多寡によらず事業者の義務です。(建設業法 第19条1項)工事前後のトラブルを避けるためにも、必ず契約を締結しましょう。
⑤共同事業実施規約の締結
窓リノベ事業者と工事発注者は、事務局の指定様式「共同事業実施規約」によりあらかじめ取り決めを実施します。資料は公式サイトからダウンロード可能なので、活用してみて下さい。
⑥工事の着手
次に、締結した工事請負契約に含まれる最初の工事に着手します。2024年11月22日以降に着手した工事が対象で、必ず工事前の写真を撮影する必要があります。工事前に写真を撮り忘れた場合、補助金が交付されないため注意しましょう。
写真提出には、専用の「工事写真撮影アプリ」の活用が便利です。アプリを利用するには、ポータルの[担当者アカウント:共通ポータル:TOP画面]から、利用申請を出す必要があります。これにより、登録したメールアドレス宛にアプリのダウンロードURLやログイン情報が届く仕組みです。
【参考】工事写真撮影アプリ
⑦交付申請の予約(任意)
補助金の交付が見込まれるリフォーム工事に着手した場合、交付申請の予約が可能です。
きます。これにより、有効期間内の予算が確保される仕組みです。
予約は、担当者アカウントの利用者がポータルを通じて手続きします。ただし交付申請の予約は任意なので、予算の執行状況を踏まえて、判断するようにしましょう。
予約の際は、上表の資料提出が必要です。本ポータル上にスキャンデータをアップロードすれば完了するため、郵送等の手間が掛からず便利です。
⑧工事の完了・引渡し
原則、締結した工事請負契約に含まれるすべての工事が終了した段階で引渡しされます。工事前と同様に、必ず工事後の写真を撮影しましょう。工事後の写真を撮り忘れた場合、後日撮影が必要になります。
工事後写真についても、専用の「工事写真アプリ」を活用できます。
【参考】工事写真撮影アプリ
⑨補助金の交付申請
交付申請は、担当者アカウントの利用者ポータルから手続きします。交付申請受付期間は「申請受付開始~予算上限に達するまで(遅くとも2025年12月31日まで)」です。
ただし予算の執行状況により、途中で打ち切りとなる場合もあります。提出書類はスキャンデータをポータル上にアップロードすれば完了するため、お急ぎの場合も便利です。
⑩交付決定
提出された交付申請に不備等がない場合、補助金交付決定となります。通知は、ポータル上で担当者アカウントの利用者に届く仕組みです。
⑪実績報告(兼、請求)/ 補助金額の確定・交付(振込)
交付決定通知に記載した「取り下げ期日」までに、交付決定の取り下げや取り消しが行われない場合、補助事業の実績報告(兼、補助金の請求)がなされたものとして取り扱われます。
実績報告に基づき補助金額を確定し、窓リノベ事業者に補助金の振込予定日が通知されます。ただし補助金額および振込予定日は、共同事業者にも通知される仕組みです。
⑫補助金の還元
補助金の振込は、交付決定から1~2ヶ月後となっています。「⑤共同事業実施規約の締結」で決定した下記①②いずれかの方法で、還元されます。
- ①補助事業に係る契約代金に充当する方法
- ②現金で支払う方法
まとめ
「2025先進的窓リノベ事業」は、住宅の断熱性能向上を支援する補助金制度です。登録事業者のみが対応可能なため、工事会社・住宅会社にとっては顧客提案の幅を広げ、受注拡大につながる大きなチャンスとなります。
補助金を活用した高付加価値リフォームを提案することで、競合との差別化にも有効です。登録はオンライン上でできるため、申請もスムーズとなっています。補助金制度は期間・予算に限りがあるため、ぜひお早めに対応しましょう。