2025木造建築物の法改正履歴|建築基準法や省エネ法をチェック

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Category: 住宅業界動向

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「木造建築物に関する法改正」についてピックアップします。2022年に公布された改正建築物省エネ法・改正建築基準法により、省エネや木材利用促進に向けた取り組みが進められています。本記事では、法改正の履歴や年表について詳しくまとめているためぜひチェックしてみてください。

2025「改正建築物省エネ法・改正建築基準法」とは

出典:国土交通省,脱炭素社会の実現に資するための建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律等の一部を改正する法律(令和4年法律第69号)について,https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/build/r4kaisei_shoenehou_kijunhou.html,参照日2025.3.18

2022(令和4)年6月に「脱炭素社会の実現に資するための建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律等の一部を改正する法律」(令和4年法律第69号)が公布されました。

この背景には、2050年カーボンニュートラル、2030年度温室効果ガス46%排出削減(2013年度比)の実現といった目標があります。建築物分野は「日本のエネルギー消費量の約3割を占める」と言われており、取り組みが急務となっています。

今回の法改正では、建築物の省エネ性能の一層の向上を図る対策の抜本的な強化や、建築物分野における木材利用の更なる促進に資する規制の合理化などに重点が置かれているのが特徴です。

【参考】国土交通省|脱炭素社会の実現に資するための建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律等の一部を改正する法律(令和4年法律第69号)について

2025「改正建築物省エネ法・改正建築基準法」の履歴・年表まとめ

出典:国土交通省,令和4年改正建築物省エネ法・建築基準法木造建築物に関する改正項目,https://www.mlit.go.jp/common/001500390.pdf,参照日2025.3.18

ここでは、改正建築物省エネ法・改正建築基準法に関する一連の履歴をまとめてご紹介します。具体的な内容は、下表の年表にまとめられます。

施行時期内容
2022(令和4)年9月1日施行住宅の省エネ改修に対する住宅金融支援機構による低利融資制度
2023(令和5)年4月1日施行住宅トップランナー制度の拡充・省エネ改修や再エネ設備の導入に支障となる高さ制限等の合理化等
2024(令和6)年4月1日施行建築物の販売・賃貸時における省エネ性能表示・再エネ利用促進区域制度・防火規制の合理化等
2025(令和7)年4月1日施行原則全ての新築住宅・非住宅に省エネ基準適合を義務付け・構造規制の合理化・建築基準法に基づくチェック対象の見直し等

2022|住宅金融支援機構法改正

出典:国土交通省,令和4年改正建築物省エネ法・建築基準法木造建築物に関する改正項目,https://www.mlit.go.jp/common/001500390.pdf,参照日2025.3.18

2022年に、住宅の省エネ改修に対する低利融資制度が創設されました。具体的には個人住宅の省エネ・再エネリフォームに対して、最大500万円の融資が低金利で受けられる制度です。

出典:住宅金融支援機構,グリーンリフォームローン,https://www.jhf.go.jp/loan/yushi/info/grl/index.html,参照日2025.3.18

返済期間は、最長で10年間です。借入申込時に返済期間のすべての金利が確定する全期間固定金利型で、借入の際の担保、保証人および融資手数料は不要となります。

さらに省エネルギー性能を著しく向上させるZEH水準を満たす場合は、「グリーンリフォームローンS」と認定され、金利がより低くなるのが特徴です。

【参考】住宅金融支援機構|グリーンリフォームローン

2023|建築基準法改正

出典:国土交通省,令和4年改正建築物省エネ法・建築基準法木造建築物に関する改正項目,https://www.mlit.go.jp/common/001500390.pdf,参照日2025.3.18

2023年には、建築基準法が改正されています。「省エネ改修や再エネ設備の導入に支障となる高さ制限等の合理化」では、既存の建築物を対象に容積率や建蔽率が緩和されました。

これにより、屋根の断熱リフォームや太陽光パネルの設置がしやすくなったのがメリットです。

出典:国土交通省,令和4年改正建築物省エネ法・建築基準法木造建築物に関する改正項目,https://www.mlit.go.jp/common/001500390.pdf,参照日2025.3.18

そして「採光規定の見直し」では、最高に有効な開口部面積について「1/10以上」に緩和されました。ただし、一定の照明設備の設置等の条件を満たす必要があります。

窓からは熱の出入りが発生しやすいのが課題でしたが、開口部面積を小さくできることで断熱性能を保ちやすくなりました。

2024|建築基準法改正

出典:国土交通省,令和4年改正建築物省エネ法・建築基準法木造建築物に関する改正項目,https://www.mlit.go.jp/common/001500390.pdf,参照日2025.3.18

2024年には、「防火規制の合理化」が実現しました。まず3000㎡超の大型建築物について、「あらわし」が可能になっています。これは構造部材である木材をそのまま内装として見せる手法で、木材を不燃材料で覆うといった対策が求められます。

出典:国土交通省,令和4年改正建築物省エネ法・建築基準法木造建築物に関する改正項目,https://www.mlit.go.jp/common/001500390.pdf,参照日2025.3.18

そして耐火性能が要求される大規模建築物においても、壁・床で防火上区画された範囲内で部分的な木造化が可能となりました。これにより、建物の木造化を推進する狙いがあります。

出典:国土交通省,令和4年改正建築物省エネ法・建築基準法木造建築物に関する改正項目,https://www.mlit.go.jp/common/001500390.pdf,参照日2025.3.18

さらに防火上分棟的に区画された高層・低層部分をそれぞれ防火規定上の別棟として扱うことで、低層部分の木造化を可能となりました。また他の部分と防火壁で区画された耐火構造等の部分には、防火壁の設置は不要となっています。

2025①|建築物省エネ法改正

出典:国土交通省,令和4年改正建築物省エネ法・建築基準法木造建築物に関する改正項目,https://www.mlit.go.jp/common/001500390.pdf,参照日2025.3.18

2025年には、原則すべての新築住宅・非住宅に省エネ基準適合が義務付けられています。審査では、建物の断熱性能や設備のエネルギー効率が基準(断熱等級4以上、省エネ基準適合)を満たしているかが評価されます。

法改正について詳しくは、下記記事をご覧ください。

【関連記事】省エネ基準適合住宅とは|確認方法や住宅ローン控除のポイント

2025②|建築基準法改正(4号特例の縮小)

出典:国土交通省,令和4年改正建築物省エネ法・建築基準法木造建築物に関する改正項目,https://www.mlit.go.jp/common/001500390.pdf,参照日2025.3.18

4号特例とは「審査省略制度」のことで、建築士が設計する場合に構造関係規定等の審査が省略される制度です。「4号」とは建築基準法第6条第1項第4号に定められた木造住宅等が該当することから、住宅業界に深く関係しています。

今回4号特例が縮小されたことで、「2階建て以上または延べ面積200㎡超の建築物」でも建築確認申請が必要になりました。

法改正について詳しくは、下記記事をご覧ください。

【関連記事】4号特例縮小をわかりやすく解説|2025年法改正

2025③|建築士法改正

出典:国土交通省,令和4年改正建築物省エネ法・建築基準法木造建築物に関する改正項目,https://www.mlit.go.jp/common/001500390.pdf,参照日2025.3.18

建築士法の改正により、ニ級建築士の業務範囲が見直されています。具体的には「階数3以下かつ高さ16m以下」に拡大されています。

まとめ

「改正建築物省エネ法・改正建築基準法」に関連して、段階的に法改正が行われてきました。2025年には4号特例の縮小等によって業務が増える場面も予想され、さらなる業務効率化が求められています。一連の取組で省エネ性能を向上させることで、より快適な住まいの実現が期待されます。