2025年最新。有料・無料の省エネ計算ツール5選

ZEHを建築する場合、構造や一次消費エネルギー、外皮性能まで定められています。そのため、省エネ計算ツールによってエネルギー消費や外皮性能を求めることで、要件を満たしているかどうかを確認できる点がメリットです。
本記事では、省エネ計算ツールでできることにふれつつ、無料の省エネ計算ツールを5つ紹介していきます。

目次
省エネ計算ツールでできること
省エネ計算ツールでできることをまとめると以下のようになります。
- 各種エネルギー消費量を確認できる-冷房や暖房だけでなく、給湯、外皮性能を数値で把握できる。また、ツールによっては、省エネ申請まで対応可能なものもある
- 省エネ基準への適合性を確認できる-現状では、ZEHだけでなく、長期優良住宅においても明確な基準がある。その基準に満たなかった場合、構造や設備の仕様が基準にそうものだったとしてもZEHとは認められない。そのため、計画段階のシミュレーションが最も大切ではある
- 今後のリフォーム目安-リフォームにおいても設備や断熱性能に関しては、条件を満たす必要がある。ZEHではなくても省エネ基準適合住宅などに適合させる場合に役立つ
省エネ計算は、今後住宅で必ず行わなければならないシミュレーションの1つです。事業者と活用する場合も使用する材料や設備の仕様も含めて、正確な数値を算出するために役立つといえるでしょう。
また、省エネ計算ツールと手作業での数値にズレがあった場合は、設備や材料の仕様などの再検討も可能です。
省エネ計算ツール5選
改正省エネ基準対応 機器選定支援ソフト・省エネ計算ツール

Panasonicが提供している「改正省エネ基準対応 機器選定支援ソフト・省エネ計算ツール」は、Panasonic製の以下の機器を選定するために活用できるツールです。
- 空調機器
- 照明器具
- 換気用送風機
別ツールを使用する必要はあるものの、適合性判定にも対応している設備選定に役立つツールだといえます。また、入力方法は以下2つに分かれています。自社に適した入力方法で活用してみましょう。
- 建物入力エディター
PDFの図面から図形入力することで面積と容積を計算できる。そのうえで、建物の機器データを出力できる
- マニュアルモード
既に決まった空調機の能力をもとにして、機器選定データを出力できる。換気風量や照明器具の台数なども計算可能
住宅に関する省エネルギー基準に準拠したプログラム

「住宅に関する省エネルギー基準に準拠したプログラム」は、2016年の省エネルギー基準に準拠した省エネ計算ツールです。2016年のエネルギー基準は以下のとおりです。
- 外皮性能は地域ごとに0.46から0.87W/(㎡・K)
- 冷房期の平均日射熱取得率2.7から6.7(ηAC値)
住宅タイプから外皮の評価方法、暖房・冷房の範囲、太陽光発電の有無まで指定できるため、非常に細かな条件設定が可能です。また、外皮性能とエネルギーのどちらも図ることができるため、事業所内で作業を割り振り、結果を話し合うといった対応方法も検討できます。
平成28年省エネエネルギー基準(住宅/非住宅)日よけ効果算出ツール

「平成28年省エネエネルギー基準(住宅/非住宅)日よけ効果算出ツール」は、窓ガラスや日よけが太陽熱をどのくらい透過・侵入させるかを数値で計れるツールです。建物の用途から地域、外壁の方向、ひさしを含めた外壁の長さまで指定できます。
値が小さいほど太陽熱を抑制できるため、エアコンや換気設備を設置する際には重要な数値だといえるでしょう。
LIXIL省エネ住宅シミュレーション

「LIXIL省エネ住宅シミュレーション」は、外皮計算及び一次エネルギー消費量を計算できるWeb上のツールです。ただし、利用には登録が必要です。
また、数値として算出できるだけでなく、省エネ説明書や省エネ住宅提案書も自動で作成可能です。そのため、事業者として顧客に提案する場合もよりわかりやすい説明が可能になる点はメリットだといえるでしょう。
The BEST Program

「The BEST Program」は、総合的な設計から住宅の省エネ環境を計算できるツールです。ただし、ツールは以下のように使い分ける必要があります。
- BEST-H(住宅環境設計ツール):総合的な建築・設備のエネルギー量を算出できる。エネルギー消費量と室内の熱環境を同時に算出でき、時刻別のエネルギー計算まで可能。また、太陽光発電システムや冷暖房設備の設置まで含めて適正な設備を検討できる
- BEST-H(住宅環境・健康評価ツール):面積や工法を含めた断熱効果を検討できる。たとえば、リフォーム前後の比較検討も可能。一次エネルギー消費量を計れることに加え、エネルギー削減効果も計れる
価格は無料体験版と有料版があり、有料版に関しては、利用本数によって価格が異なるものの、1~4ライセンスまでは22万円です。
まとめ
ここまで有料・無料の省エネ計算ツールを解説しました。省エネ計算ツールは大きく分けると以下のような系統に分けられます。
- 申請にそのまま使用できる
- 設計段階から検討できる
- 顧客提案に使用できたりする
- 特定の設備の省エネ計算に特化している
計算結果が仮に同様であったとしても、その後にどのように活用するかでツールを使い分けることが可能です。また、無料のツールもあるため、「これまで手作業で計算してた」といった場合や「他のツールを検討したい」といった場合には、本記事を参考に省エネ計算ツールを導入してみましょう。