2024年最新の不動産価格推移!地域ごとの調べ方や将来性について解説
国土交通省が令和6年7月に公表した「不動産価格指数」によると、住宅および商業用の不動産価格が過年度より大きく伸び続けていることがわかっています。
本記事では、不動産価格指数の調査結果をもとに「過年度からの変化」「地域ごとの不動産価格」を深掘りしたのち、不動産事業の将来性や不動産業界が取り組むべき対策について解説します。
目次
2024年最新の不動産価格推移
出典:国土交通省「不動産価格指数」
国土交通省が定期的に実施している「不動産価格指数」の調査によると、2024年4月の調査にて、複数の不動産の種類で過去最高値を出していることがわかっています。
全国平均の指数を見ていくと、不動産価格は次の値を示しています。
※2010年の平均価格を100と設定
大項目 | 小項目 | 調査指数(2024年4月) |
居住用 | 住宅総合 | 140.1 |
マンション | 200.2 | |
商業用 | 商業用不動産 | 140.0 |
オフィス | 169.6 |
出典:国土交通省「不動産価格指数」
以上より、不動産の価格がかなり高騰している状況です。なかでも住宅用マンションの不動産価格指数が上昇していることから、マンションタイプに不動産のニーズが集中しつつあると考えられます。
居住用・商業用ともに価格が増加中
前述した不動産価格指数より、居住用・商業用ともに価格が増加し続けていることがわかっています。参考として、価格上昇に影響するポイントを以下にまとめました。
- 世界情勢の影響を受けて円安・ドル高が続いている
- 海外での戦争の影響を受けて材料費が高騰している
つまり、不動産が高く売れる(賃貸できる)一方で、新たな不動産を得るために費用がかかる状況です。以前と比較して不動産業界がハイリスク・ハイリターン化しつつあると言えます。
地域ごとの不動産価格の調べ方
出典:国土交通省「不動産情報ライブラリ」
地域ごとの不動産価格を調べたい場合には、国土交通省が提供している「不動産情報ライブラリ」から検索するのがおすすめです。以下の条件で簡単に最新の不動産価格や、過年度からの推移をチェックできます。
- 自社で管轄しているエリア内の住所
- 価格情報の区分(取引価格・成約価格)
- 不動産の種類
- 時期
検索した情報は、Webブラウザで一覧表示ができるのはもちろん、csvデータ(表計算データ)としてダウンロードできます。不動産の取得や事業エリアの拡大を始める際には、事前に地域ごとの不動産価格を調べておくと良いでしょう。
不動産価格は今後どうなる?
不動産価格は、ここ十数年で急激に上昇を続けているため、今後も伸び続けると予想できるかもしれません。ただし、以下に示すような世界的な変化が生じれば、今後下がることも考えられます。
- 米国の大統領選挙
- 世界での戦争開始
- 円安のストップ
特に円安問題は、徐々に円・ドルの価値が変化し始めています。円安の状況で不動産を取得してその後に円高が発生すると、利益率が落ちてしまうかもしれません。そのため、不動産事業の失敗を避けるためには、利益率の高い不動産を取得することが欠かせません。
不動産価格が上昇している今やるべきこと
不動産価格が上昇している今、業界としてやるべきことを2つ整理しました。
顧客の予算ベースで最適な不動産を見つける
不動産価格が高くなっているということは、その分だけ高値で不動産を売る必要があるということです。それは逆に、顧客側の予算では購入が難しくなることを意味します。
よって今後の不動産事業では、顧客の予算に合う最適な不動産物件の確保が欠かせません。将来的に人が集まるエリアの物件を見つけることはもちろん、消費者の平均年収などを考慮することと並行して、予算に合う最適な土地・建物を提供することが大切です。
ライフプランニングといったソフト対策に力を入れる
不動産価格が高騰すると、消費者は気軽に不動産を購入できにくくなります。よって不動産事業では、ライフプランニングなど、消費者が無理なく不動産を購入できるソフト対策に力を入れることが重要です。
例えば、今の予算に合う物件の価格やエリアを提案するほか、ローン返済計画や資産運用に関するアドバイスをして、消費者が「これなら購入できる」と思える道しるべを示すことが欠かせません。ただ不動産を提供するのではなく、提供した不動産を契約してもらうためのソフト対策をスタートしてみてください。
まとめ
不動産価格は年々上昇を続けていますが、今後も安定的に上昇が続くとは限りません。世界情勢の変化はもちろん、戦争、米国の大統領選挙など、不動産価格が変動するきっかけが複数存在します。
不動産事業を安定化させるためには、過去・現在の不動産価格、そして複数の要因を見て将来的に不動産価格がどう変化するのかを分析することが重要です。本記事で紹介した国土交通省の不動産価格指数を参考に、今後の事業について検討してみてはいかがでしょうか。