2025子育てリフォーム補助金|国や自治体制度をチェック

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「子育てリフォーム補助金」についてピックアップします。子育て世帯の住まいづくりでは、安全性や快適性を高めるためのリフォームが欠かせません。2025年は、国や自治体による「子育てリフォーム補助金」が充実しており、省エネ化やバリアフリー、防犯対策など多様な改修が対象になります。
本記事では、全国で利用できる国の「2025子育てグリーン住宅支援事業」から、自治体独自の支援まで幅広くご紹介します。
2025子育てリフォーム補助金をまとめてチェック!

2025年の子育てリフォーム補助金では、国や自治体が提供するさまざまな制度を活用できるのが特徴です。例えば国の「子育てグリーン住宅支援事業」では、省エネ改修や子育て対応設備の設置が補助対象になっています。
また東京都や京都市、新潟市などでは、子育て世帯向けの安全対策やバリアフリー工事に対して独自の補助金が用意されています。対象工事や補助金額、申請条件を整理し、計画的に活用してみましょう。
2025子育てリフォーム補助金|全国対象
ここでは「全国対象」の2025子育てリフォーム補助金についてご紹介します。
2025子育てグリーン住宅支援事業

国土交通省・環境省は、「子育てグリーン住宅支援事業」を実施しています。これは「ZEH基準の水準を大きく上回る省エネ住宅」の導入や、既存住宅の省エネ改修等に対する補助金制度です。
これにより2050年カーボンニュートラルの実現に向け、裾野の広い支援を実現しています。補助金額や補助対象について詳しくは、下記記事をご覧ください。
対象工事
補助対象は、以下のカテゴリー①~⑧に該当するリフォーム工事です。
【必須工事①~③】の中から2つ以上のカテゴリーを実施した場合、補助対象となります。そして【任意工事④~⑧】については、必須工事を実施した場合のみ補助対象となります。
【必須工事】
- ①開口部の断熱改修
- ②躯体の断熱改修
- ③エコ住宅設備の設置
【任意工事】
- ④子育て対応改修
- ⑤防災性向上改修
- ⑥バリアフリー改修
- ⑦空気清浄機能・換気機能付きエアコンの設置
- ⑧リフォーム瑕疵保険等への加入
補助金概要・申請期間
1戸あたりの補助上限金額は、以下の通りです(対象工事①~⑧の合計)。
- Sタイプ(必須工事①~③のすべて実施):上限60万円/戸
- Aタイプ(必須工事①~③のうち、いずれか2つ実施):上限40万円/戸
交付申請受付期間は、「申請受付開始~予算上限に達するまで(遅くとも2025年12月31日まで)」となっています。
「子育て対応改修」とは

子育てグリーン住宅支援事業には、任意工事として「④子育て対応改修」の項目が設けられています。子育て対応改修に該当する具体的なリフォーム内容は、下記の通りです。
- 家事負担軽減に資する住宅設備
- 防犯性の向上に資する開口部の改修
- 生活騒音への配慮に資する開口部の改修
- キッチンセットの交換を伴う対面化改修
それぞれの具体的な基準・補助金額について、下記にまとめています。
【家事負担軽減に資する住宅設備の基準】
対象設備 | 基準 | 補助金額 |
---|---|---|
ビルトイン食器洗機 | 電気用品安全法に規定する「電気食器洗機」で、組込型であること。 | 25,000円/戸 |
掃除しやすいレンジフード | 次の(1)~(3)のすべてを満たすものであること。 (1)電気用品安全法に規定する「換気扇」であること。(2)レンジフードのファンの形態が「遠心送風機型」であること。(3)次の a)~d)のいずれかの部品を備えている場合にそのすべて※1が①または②の仕様構造になっていることa)整流板b)グリスフィルターc)ファンd)油受け皿①工具を使用することなく、使用者が着脱可能であることで、洗い掃除を可能としているもの。②レンジフードの清掃の際、水(ぬるま湯)や台所用洗剤によって、油煙汚れを除去し易くする目的で、「はつ油(性)処理」※2、「親水(性)処理」※3または「ホーロー(琺瑯) 処理」※4のいずれかの表面処理を施したもの。 | 13,000円/戸※5 |
ビルトイン自動調理対応コンロ | JIS S2103:2019に規定する「ガスこんろ」または、電気用品安全法に規定する「電磁誘導加熱式調理器」のうち、組込型で(1)及び(2)の機能を有すること。 (1)こんろ部に、設定した温度に自動で調節する自動温度調節機能があること。(2)こんろ部またはグリル部に、調理開始から調理終了まで手動で操作を行わずに調理する自動調理機能があること。なお、炊飯機能を必須とする。 | 15,000円/戸※5 |
浴室乾燥機 | 電気用品安全法に規定する「電気乾燥機」、「電気温風機」、「換気扇」または「ファンコイルユニットおよびファン付コンベクター」で、乾燥運転時に、換気運転(換気扇との連動も可)と連動し、温風で浴室内や浴室内に干された衣類の乾燥を行うもの(浴室内の天井または壁に設置されるものに限る)であること。 | 23,000円/戸 |
宅配ボックス | 次の(1)~(2)のすべてを満たすものであること。 (1)保安性、保管箱の防水性等の機能が確保されていること。(2)保管箱の剛性、錠の施錠強さ等の機械的な抵抗力及び安定性が確保されていること。(3)使用時の安全性及び保安性が確保されていること。(4)表面の抵抗性、部材の耐久性が確保されていること。 | 住戸専用の場合※6:11,000円/戸共用の場合:11,000円/ボックス※7 |
※1機械的構造により、油煙汚れが付着しにくい部品を除く。
※2はつ油(性)処理とは、油分をはじくことで、表面に付着しにくい特徴を有した表面処理をいう。
※3親水(性)処理とは、水となじむ(親和する)ことで、付着した油分を浮かび上がらせて、汚れを落とし易くする特徴を有した表面処理をいう。
※4ホーロー(琺瑯)処理とは、表面のガラス質により、表面の平滑性、稠密性が向上することで、油分が染み込まず、落とし易くなる特徴を有した表面処理をいう。
※5「キッチンセットの交換を伴う対面化改修」で補助金が交付される場合、本項目は補助の対象外。
※6共同住宅においては、単数のボックスなど当該住戸用に独立して設置された宅配ボックスに限る。
※7例えば、1つの宅配ボックスに4つのボックスが設置されている場合は44,000円。
【防犯性の向上に資する窓・ドア等の基準】
対象設備 | 基準 | 補助金額 |
---|---|---|
窓・ドア | 「防犯性能の高い建物部品目録」に掲載・公表された防犯建物部品(CP マークを取得したもの)であること。 | 22,000円~53,000円/箇所 |
【生活騒音への配慮に資する窓・ドア等の基準】
対象設備 | 基準 | 補助金額 |
---|---|---|
窓・ドア | 既存のサッシに内窓を設置して二重窓とすること、JIS A4706:2015(サッシ)に規定する遮音性能が T1 以上であるものに交換することまたは品確法に基づく日本住宅性能表示基準で定める透過損失等級(外壁開口部)の等級2以上であるものに交換すること。 | 8,500円~36,000円/ |
【生活騒音への配慮に資するガラスの基準】
複層ガラスの厚み | 断熱構造サッシ(開閉形式問わず) | アルミ製サッシ(開き系) | アルミ製サッシ(引き系、上げ下げ、オーニング) | アルミ製サッシ(出窓) |
---|---|---|---|---|
一方が公称3㎜以上、他方が公称3㎜以上 | ○ | ○ | ─ | ─ |
一方が公称3㎜以上、他方が公称4㎜以上 | ○ | ○ | ○ | ─ |
一方が公称3㎜以上、他方が公称5㎜以上 | ○ | ○ | ○ | ○ |
- 補助金額:3,000円~11,000円/枚
【キッチンセットの交換を伴う対面化改修工事の基準】
設備 | 以下①~④のすべてを有する①キッチン用シンク(給排水設備と接続されていること)②調理台③コンロ (IH クッキングヒーター含む)④調理室用の換気設備 |
レイアウト | 改修前:「改修後」に該当しないもの。改修後:①から③の少なくとも2つ以上の設備に正対して立った位置から、リビングまたはダイニングの過半を見渡すことができる。 |
- 補助金額:91,000円/戸

キッチンセットの交換を伴う対面化改修は、改修『前』と改修『後』にそれぞれ要件があるため注意しましょう。例えば既存のキッチンとは別に、新たに対面キッチンを設置する工事は補助対象です。しかし改修前の既存のキッチンがすでに対面である場合は、対象になりません。
【参考】子育てグリーン住宅支援事業|キッチンセットの交換を伴う対面化改修の対象について
2025子育てリフォーム補助金|自治体
ここでは「自治体」が実施している2025子育てリフォーム補助金についてご紹介します。各自治体で独自の補助金制度を実施しているケースがあるため、ぜひ自治体の公式サイトをご確認ください。
東京都|子育て世帯向け補助事業(「子供を守る」住宅確保促進事業)

東京都では、「子育て世帯向け補助事業(「子供を守る」住宅確保促進事業)」を実施しています。これはマンションを対象に、子どもの安全確保のための改修工事を行う際に補助金を交付する制度です。
補助金概要・申請期間
補助対象者は、下記の通りです。
(1)
- 分譲マンションの区分所有者で、自身が居住していること。
- 又は賃貸マンションの賃借人で、自身が居住していること(分譲マンションの区分所有者が賃貸している住戸の賃借人を含みます)。
(2)
- 同居者に小学生以下の子供がいること。

そして補助上限額は、「30万円/戸」(補助対象経費の3分の2)となっています。
- 補助対象経費に消費税は含みません。
- 千円未満の端数が生じた場合、その端数は切り捨て算定します。
申請期限は「令和8年2月末日まで」に工事を完了の上、実績報告書・請求書の提出が必要となっています。
対象工事
補助対象工事は、下記の通りです。
【安全対策】
- ①段差解消工事
- ②転倒防止等手すり設置(玄関、トイレ、洗面所、浴室)
- ③転落防止手すり等設置(バルコニーや窓)
- ④バルコニー内エアコン室外機等の設置場所へ高さ1,100㎜以上の柵の設置
- ⑤バルコニーに面する窓へロック付や錠付クレセント等の設置
- ⑥バルコニーに面する窓へ開口制限ストッパーや補助錠等の設置
- ⑦バルコニーに面する窓へ子供の手の届かない位置にクレセントの設置
- ⑧バルコニー内にチャイルドロック等が付いた避難ハッチの設置
- ⑨浴室の扉へ子供の手の届かない位置に外からの解錠が可能な鍵の設置
- ⑩火傷防止カバー付き水栓、サーモスタット式水栓等の設置
- ⑪トイレの扉へ外から解錠が可能な鍵の設置
- ⑫チャイルドロックや立消え安全装置等が付いた調理器の設置
- ⑬ドアや扉への指挟み防止対策の実施
- ⑭チャイルドフェンス等の設置
- ⑮シャッター付き等感電防止コンセントの設置
- ⑯壁、柱等の出隅の面取り対策の実施
【防犯対策】
- ①防犯性の高い玄関ドア等の設置
- ②住戸へのカメラ付きインターホンの設置
- ③防犯フィルム、防犯ガラス、面格子等の設置
京都市|京都安心すまい応援金(京都市子育て世帯既存住宅取得応援金)

京都市では、「京都安心すまい応援金(京都市子育て世帯既存住宅取得応援金)」を実施しています。これは子育て世帯の京都市への定住・移住の促進を目的とした制度で、未就学の子どもがいる世帯が市内の既存住宅を購入する場合に「応援金」が交付されます。
補助金概要・申請期間
補助金交付額は最大200万円で、各条件を満たすことで加算される仕組みです。まず「基本要件」は下記の通りで、すべて満たせば100万円が交付されます。
- 未就学の子ども(妊娠中を含む)がいる世帯
- 築5年以上(※1)かつ購入価格500万円(税抜)以上の既存住宅を自己居住用として購入
- 既存住宅購入後に市内事業者が施工するリフォーム工事を実施
※1 令和6年度にエントリーの場合:令和2年3月31日までに建築されたもの
令和7年度にエントリーの場合:令和3年3月31日までに建築されたもの
そして「加算要件」は下記の通りで、1項目あたり50万円(最大2項目、100万円まで)が加算されます。
- 子どもが2人以上いる世帯
- 市外からの転入
- 京町家等(※2)もしくは管理計画認定マンション(※3)を購入
※2 昭和25年11月23日以前に建てられた(工事中を含む)木造建築物
※3 適切な管理計画を持つマンションとして京都市の認定を受けた分譲マンション
対象工事
対象は「市内事業者が施工する、住環境の改善のために行う工事」となっています。具体的には下記の工事が挙げられます。
- 耐震改修
- 断熱改修
- 太陽光発電設備
- 指定京町家の改修
ただし、取付等の工事が発生しない単なる備品の購入や部品の交換・設置(鍵の交換、照明器具の交換など)、住宅外の部分に当たる外構工事や店舗併用住宅の店舗部分のみを対象とした工事は対象外です。
新潟市|健幸すまいリフォーム助成事業

新潟市では「健幸すまいリフォーム助成事業」を実施しています。具体的には、既存住宅のバリアフリー化・子育て対応・省エネ化リフォーム工事費用を補助する制度です。
子どもを安心して産み育てられ、高齢者が健康で幸せに暮らせる住環境を創出することを目的として実施されています。
補助金概要

補助金の対象者は、下記の全てに該当する方です。そして補助額は対象工事ごとの補助額の合計で、「上限額:10万円」となっています。
- 実績報告時点で子育て世帯または高齢者世帯に属する者
・子育て世帯:平成19年4月2日以降に出生したこども、または妊娠している者が同居する世帯
・高齢者世帯:65歳以上の者が同居する世帯
- 対象工事を行う市内の家に居住または実績報告までに居住する予定の者
- 対象工事を発注し行う個人
- 令和8年3月13日(金曜)までに実績報告書を提出できる者
- 市税を完納していること
- 令和6年度以降に本事業や空き家活用推進事業(リフォームを行うものに限る)補助金交付を受けていない者
対象工事

対象工事は、上図の通りです。補助金額の合計1万円以上から申請でき、具体的には下記のような組み合わせも可能となっています。
- てすり設置 0.5万円
- 浴室全体改修 5万円
- 内窓設置(大×2か所) 2.4万円
- ビルトイン食洗機 2.1万円
→合計10万円
まとめ
2025年の子育てリフォーム補助金として、国の「子育てグリーン住宅支援事業」をはじめ、各自治体による制度が利用できます。安全対策や家事負担軽減、省エネ改修など幅広い工事が対象で、条件を満たせば数十万円規模の支援を受けられます。
制度ごとに対象要件や申請期限が異なるため、活用を検討する際は早めに情報収集し、計画的に申請準備を進めることが重要です。