先進的窓リノベ2025事業で「確定申告」は必要か|e-taxのやり方とは

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Category: 省エネ情報

トレンドワード:先進的窓リノベ2025事業の確定申告

「先進的窓リノベ2025事業の確定申告」についてピックアップします。省エネ性能の高い窓へのリフォームに対して、お得な補助金が受けられる制度です。

しかし補助を受けた際に「確定申告は必要?」と疑問に思う方も多いのではないでしょうか。そこで本記事では、リフォームに関する確定申告の基本から、対象となる減税制度、注意点までわかりやすく解説します。

先進的窓リノベ2025事業がスタート!

出典:環境省,先進的窓リノベ2025事業,https://window-renovation2025.env.go.jp/,参照日2025.7.29

環境省では、先進的窓リノベ2025事業を実施しています。既存住宅の早期の省エネ化を図ることで、エネルギー費用負担の軽減や住まいの快適性の向上を目指します。

また先進的な断熱窓の導入加速で価格低減を促進することにより、関連産業の競争力強化・経済成⾧を実現するのもポイントです。一連の取り組みで、くらし関連分野のGX加速を目的とする事業となっています。

補助対象

補助対象事業開口部の断熱改修(リフォーム)
補助対象者工事発注者

上表のように戸建、共同住宅によらず、既存住宅の開口部の断熱性能向上が対象です。ただし本事業における「住宅」とは、居住用の家屋を指します。

以下に該当する建物や居室の窓は、原則、補助対象外のため注意しましょう。

  • 不動産登記や固定資産の課税において、住宅以外の用途に分類される
  • ②(①が住宅であっても)現に住宅以外の用途に使用している(店舗や施設等)

補助金額

出典:環境省,先進的窓リノベ2025事業,https://window-renovation2025.env.go.jp/,参照日2025.7.29

先進的窓リノベ2025事業の補助金額は、下記の通りです。

  • 補助額:補助対象工事により設置する製品の性能と大きさ、および設置する住宅の建て方に応じた、製品ごとの補助額(定額)の合計

※補助対象となる窓(ガラス)およびドアは、本事業の性能要件を満たすことが確認された製品に限ります。

  • 上限額:一戸当たり200万円

※交付申請は、1申請あたりの合計補助額が5万円以上の工事を対象とします。

2025先進的窓リノベ事業では「確定申告」が必要?

先進的窓リノベ2025事業では、一戸当たり上限200万円の補助金が交付されます。そのため「確定申告は必要なの?」という疑問を感じるケースも。ここでは、気になる疑問にまとめてお答えします。

確定申告とは

確定申告とは、1年間の所得や支出を税務署に申告して納税額を確定させる手続きです。主に自営業者や副収入がある給与所得者、医療費控除や住宅ローン控除を受けたい方などが対象です。

年末調整では反映されない控除を受けるためにも必要な手続きで、毎年2月中旬から3月中旬までが受付期間となっています。

【参考】国税庁|確定申告とは

確定申告のメリット

確定申告によって各種控除を適用でき、納め過ぎた税金の還付を受けられるのがメリットです。たとえば住宅ローン控除や医療費控除、ふるさと納税の寄附金控除などが該当します。

また給与所得者でも副業収入があったり、補助金などを受け取ったりした場合、申告することで節税できる可能性があります。このように、税金を適正化するために重要な手段です。

先進的窓リノベ2025事業は課税対象?

個人が補助金の交付を受けた場合「一時所得」に該当するため、一定額以上は申告が必要です。

ただし本補助金は、所得税法第42条第1項(国庫補助金等の総収入金額不算入)に規定する「国庫補助金等」に該当するので、所定の手続きにより所得の算入から除外できる場合があります。

また住宅ローン減税等を併用する場合にも、住宅の取得価格等から控除する必要があります。詳しくは、税務署等にご確認ください。

【参考】先進的窓リノベ2025事業|よくあるご質問

いくらから確定申告が必要か

先進的窓リノベ2025事業の補助金は「一時所得」に該当するため、補助金額が50万円を超える場合には確定申告が必要です。課税は不要ですが、そのことを証明する目的があります。

  • 総収入金額 – 収入を得るために支出した金額(注) – 特別控除額(最高50万円) = 一時所得の金額

【参考】国税庁|No.1490 一時所得

2025先進的窓リノベ事業「e-tax確定申告」のやり方

出典:国税庁,確定申告書等作成コーナー,https://www.keisan.nta.go.jp/kyoutu/ky/sm/top#bsctrl,参照日2025.7.29

ここでは、2025先進的窓リノベ事業「e-tax確定申告」のやり方を解説します。

e-Tax(国税電子申告・納税システム)とは、所得税、消費税、贈与税、印紙税、酒税などの申告や法定調書の提出、届出や申請などの各種手続きをインターネット上で完結できる仕組みです。

確定申告書等作成コーナーにおいて作成した申告書等については、e-Taxを利用して提出することもできます。

①入力に必要な書類の準備

まずは、入力に必要な書類を準備します。マイナンバーカード方式をご利用の方は、マイナポータル連携を利用することで、確定申告に必要な控除証明書等のデータを一括取得して確定申告書の該当項目へ自動反映することも可能です。

ただしマイナポータル連携を利用される場合は、マイナポータルでの事前準備が必要です。

②作成方法の選択

初めて作成コーナーを利用する場合、トップ画面の「作成開始」をクリックして作成を開始します。

一方で過去に作成コーナーを利用された方で、作成した申告書等のデータ(拡張子が「.data」となっているもの)をお持ちの方は、過去に入力した情報を利用して作成可能です。作成コーナートップ画面の「保存データを利用して作成」から作成します。

③税務署への提出方法の選択

出典:国税庁,確定申告書等作成コーナー,https://www.keisan.nta.go.jp/kyoutu/ky/sm/top#bsctrl,参照日2025.7.29

税務署への提出方法は、下記3通りがあります。

  • e-Tax(マイナンバーカード方式)
  • e-Tax(ID・パスワード方式)
  • 書面

まず「e-Tax(マイナンバーカード方式)」は、マイナンバーカード又はスマホ用電子証明書を利用して送信する方法です。認証方法は「①スマートフォンを使用する方法 ②ICカードリーダライタを使用する方法」の2種類があります。

そして「e-Tax(ID・パスワード方式)」はマイナンバーカード及びICカードリーダライタが普及するまでの暫定措置です。自宅からも作成コーナートップ画面の「ID・パスワード方式の届出」から届出可能ですが、下記のパスワード入力が必要です。

・利用者証明用電子証明書のパスワード(数字4桁)【必須】

・券面事項入力補助用パスワード(数字4桁)【任意】

最後に「書面」は、印刷した申告書等を郵送等で税務署へ提出する方法です。印刷の際は、ご自宅のプリンタ又はコンビニエンスストア等のプリントサービスをご利用ください。

④作成する申告書等の選択

出典:国税庁,確定申告書等作成コーナー,https://www.keisan.nta.go.jp/kyoutu/ky/sm/top#bsctrl,参照日2025.7.29

事業所得・不動産所得がある場合には、決算書・収支内訳書を作成後、データを引き継ぎ所得税の確定申告書を作成します。

一方で事業所得・不動産所得がない場合には、所得税の確定申告書のみ作成が必要です。

⑤申告書等の作成・保存・再開

出典:国税庁,確定申告書等作成コーナー,https://www.keisan.nta.go.jp/kyoutu/ky/sm/top#bsctrl,参照日2025.7.29

申告書は、作成途中でも保存可能です。申告書の作成画面右下部にある「ここまでの入力内容を保存」ボタンをクリックします。

⑥申告書等の提出

出典:国税庁,確定申告書等作成コーナー,https://www.keisan.nta.go.jp/kyoutu/ky/sm/top#bsctrl,参照日2025.7.29

申告書等が完成したら、提出します。e-Taxを活用すれば、データ送信が可能です。ただし必要な場合のみ添付書類を郵送又は税務署に持参して提出する必要があるため、注意しましょう。

リフォームで減税できる税金|確定申告が必要な場合も

ここでは、リフォームで減税できる税金の種類を解説します。中には確定申告が必要なケースもあるため、ぜひ参考にしてみてください。

リフォーム促進税制(所得税・固定資産税の控除)

特定のリフォームをした場合、所得税の税額控除や固定資産税の減額措置が受けられる可能性があります。

まず所得税は「耐震・バリアフリー・省エネ・同居対応・長期優良住宅化・子育て対応」が対象です。一方で固定資産税は「耐震・バリアフリー・省エネ・長期優良住宅化」となっています。

【参考】国土交通省|リフォーム促進税制(所得税・固定資産税)について

不動産取得税の軽減

平成26年度税制改正により、現行の耐震基準に適合しない中古住宅を取得した場合であっても、「住宅に係る不動産取得税の課税標準の特例措置」が受けられるようになりました。

具体的には住宅を新築した場合、課税標準から1,200万円を控除され、中古住宅を取得した場合、課税標準から新築時における控除額と同額が控除されます。

【参考】国土交通省|不動産取得税に係る特例措置

贈与税非課税

親などから住宅取得やリフォーム資金の援助を受けた場合、「住宅取得等資金の贈与税非課税制度」が適用されると、一定額まで贈与税がかかりません。具体的には贈与を受けた人ごとに省エネ等住宅の場合には1,000万円まで、それ以外の住宅の場合には500万円までの住宅取得等資金の贈与が非課税となります。

ただし特例を受けるには、確定申告が必須です。資金の使用目的や工事内容の確認書類が求められます。

【参考】国税庁|No.4508 直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税

登録免除税の特例措置

個人が、宅地建物取引業者により一定の質の向上を図るための特定の増改築等が行われた既存住宅を取得した場合に、当該住宅に係る所有権移転登記に対する登録免許税が軽減されます(適用期限:令和9年3月31日) 。  

【参考】国土交通省|登録免許税の特例措置について

2025先進的窓リノベ事業「確定申告」の注意点

ここでは、2025先進的窓リノベ事業「確定申告」の注意点について解説します。

年末調整では対応できない

年末調整とは会社が給与に関する税金を精算する手続きであり、リフォーム関連の控除は確定申告での申請が必要です。

そのため先進的窓リノベ事業の補助金を受け取り、かつ住宅ローン控除やリフォームに伴う各種控除を申請する場合、年末調整には反映されません。別途個人での対応が求められるため、注意しましょう。

確定申告は期日までに完了する

確定申告は、毎年2月中旬から3月中旬までの期間に手続きする必要があります。期日を過ぎると控除を受けられなくなる可能性があるため、早めの準備が重要です。

とくにリフォーム関連の控除には、工事証明書や補助金の受領書などの書類が必要になるため、余裕を持って申告手続きをしましょう。

まとめ

2025先進的窓リノベ事業では、高性能な窓へのリフォームによって最大200万円の補助金が受けられる制度です。補助金自体は原則として非課税ですが、受け取る金額によっては確定申告が必要です。

制度を正しく活用するために、申告期限を守って適切に対応するようにしましょう。