「屋根一体型」太陽光パネルが人気!ハウスメーカー事例やメリット・デメリット

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トレンドワード:屋根一体型の太陽光パネル
「屋根一体型の太陽光パネル」についてピックアップします。省エネの観点から太陽光パネルの必要性が高まっており、家庭用システムの導入が広がっています。本記事では「屋根一体型の太陽光パネル」に注目し、特徴や注意点について詳しくご紹介していきます。
家庭用太陽光発電の重要性が高まる|「やめたほうがいい」という声も?
家庭用太陽光発電は環境負荷の軽減や光熱費の節約につながるなど、メリットが多いです。しかし初期費用が高額であることやメンテナンスの必要性から、「やめたほうがいい」という声も聞かれます。
確かに地域・住宅の条件、経済的な状況によっては、設置をやめたほうがいい場合もあります。そのため太陽光パネルの種類や補助金について知り、シミュレーションを行った上で判断するようにしましょう。
太陽光発電システムの種類|特徴を比較
ここでは、太陽光発電システムの主な種類をご紹介します。最新技術の発達により、小型で軽量なタイプも登場しています。
置き型太陽光パネル
置き型太陽光パネルは、建物の屋根等に設置するタイプです。主に架台を用いてパネルを適切な角度に調整し、最大限の発電効率を確保します。
設置の柔軟性が高く、既存の建物に後付けもできるのがメリットです。ただし屋根の強度や耐久性を考慮する必要があり、架台のメンテナンスや強風・積雪の影響を受けやすい点にも注意が必要です。
屋根一体型太陽光パネル
屋根一体型太陽光パネルは、屋根材と一体化したデザインの太陽光発電システムです。従来の置き型と異なり屋根そのものとして機能するため、美観を損なわずに設置できます。省スペースで高効率な発電を実現できるため、スマートハウスとの相性も良い選択肢です。
特に新築住宅やリフォーム時に導入されるケースが多く、建物全体のデザインと統一感を持たせることが可能です。雨漏りリスクを低減し、強風や積雪にも強い構造になっているため、耐久性にも優れています。
ただし設置費用が高めであり、屋根の種類によっては施工が難しい場合もあります。またメンテナンスや交換時には屋根全体に影響を及ぼす可能性があるため、長期的な視点で検討する必要があります。
ペロブスカイト太陽電池
ペロブスカイト太陽電池とは、次世代の太陽光発電技術として注目されているシステムです。薄膜で軽量なため従来のシリコン系パネルに比べて製造コストが低く、屋根以外のさまざまな場所にも設置が可能です。
例えば窓ガラスや壁面、さらには衣服やモバイルデバイスへの応用も期待されています。また低照度でも発電効率が高いため、曇りの日や屋内光でも利用できる可能性があります。
しかし耐久性や長期的な安定性には課題があり、商用化には改良が必要とされています。現在も研究開発が進められており、今後、既存の太陽光発電システムを補完する存在として普及が期待されています。
「屋根一体型」太陽光パネル|ハウスメーカーの事例
ここでは、実際に屋根一体型太陽光パネルを導入しているハウスメーカーの事例をご紹介します。
一条工務店
一条工務店では、オリジナルの屋根一体型太陽光パネルを提供しています。グループ工場で生産することで、自社の建物規格寸法に合わせた高性能&リーズナブルな太陽光パネルが実現しています。
屋根一体型のため一般的なスレート屋根のように塗り直す必要がなく、耐久性にも優れているためメンテナンスコストの面でもメリットが大きいです。インターネット回線で「太陽光発電システム」の発電状況を見守る「太陽光発電モニタリングシステム」を導入することで、安全に運用できる仕組みが整っています。
ミサワホーム
ミサワホームでは、独自開発した「屋根建材一体型太陽電池」を採用しています。屋根と一緒にデザインされていることで、敷地条件を配慮した屋根の向きや屋根勾配といった細かなオーダーにも応えられるのがメリットです。
住宅密集地では、敷地の狭さから太陽光発電パネルが搭載できないケースも多いです。しかしミサワホームでは「異種勾配屋根」によって効率的に発電する仕組みを開発しました。
具体的には南面の屋根勾配を北面より緩くすることで、北側の斜線制限に対応しながら南面屋根の搭載面積を拡大します。吹き抜け空間が生まれることで、間取りもおしゃれにできるのが人気のポイントです。
屋根一体型太陽光パネルのメリット
ここでは、屋根一体型太陽光パネルのメリットについてご紹介します。
シンプルでデザイン性に優れる
従来の置き型パネルは屋根の上に後付けするため、屋根の色やデザインと調和しにくいことが課題でした。しかし屋根一体型は建材としての役割も果たすため、すっきりとした印象になり、モダンな住宅や高級感のある建築デザインとも相性が良いのがメリットです。
特にスマートハウスやZEH(ゼロエネルギーハウス)を意識した設計においては、美観と機能性の両立が叶うため屋根一体型太陽光パネルが有力な選択肢となります。
防水性が高く雨漏りしにくい
置き型パネルは架台の固定の際に屋根に穴を開ける必要があり、施工の仕方によっては雨水の侵入リスクが生じることがあります。しかし一体型パネルは防水処理が施されており、継ぎ目部分からの水漏れを防ぎやすい設計になっています。
さらに風や雪の影響も受けにくいため、耐久性の向上にも寄与します。長期的に見ても屋根の寿命を延ばす効果が期待でき、メンテナンスコストの削減にもつながります。
施工が比較的簡単
屋根一体型太陽光パネルは屋根材と一体化した設計のため、施工が比較的スムーズに行えるのが特徴です。通常の屋根材を施工する工程と同時に取り付けられるので、追加の工事工程が少なく済みます。
特に新築時の施工では、屋根の形状や設計に合わせて最適なサイズでパネルを配置できることで設置効率が向上します。また、屋根の重量を過度に増やすことなく導入できる点もメリットです。このように施工コストの削減や工期の短縮が期待できるため、導入しやすいシステムといえます。
新築・リフォームに導入可能
新築の場合、設計段階からパネルを組み込むことで、建物全体のデザインと調和させながらエネルギー効率の高い住まいを実現できます。一方でリフォーム時には、屋根の葺き替えと同時に太陽光発電システムを導入するが可能です。
特に古くなった屋根の耐久性向上や断熱性能の改善とあわせて導入することで、住宅の資産価値を高める効果も期待できます。補助金制度を活用できる場合も多いため、リフォーム時に太陽光発電を検討するのがおすすめです。
屋根一体型太陽光パネルのデメリット・課題
屋根一体型太陽光パネルにはメリットが多いですが、下記のようなデメリットや課題も存在します。
熱がこもると発電できない
太陽光パネルは温度が上がりすぎると変換効率が下がる特性を持っており、特に夏場の高温時には発電量が減少してしまうことがあります。
置き型パネルだと屋根との間に空間があり、通気性を確保できるため熱がこもりにくいですが、一体型は屋根と密着しているため放熱しづらいのがデメリットです。そのため気温の高い地域では、導入前にしっかりと検討する必要があります。
条件によっては設置が難しい
屋根一体型太陽光パネルは、屋根の種類や形状、方角によっては設置が難しい場合があります。特に複雑な形状の屋根や勾配が急な屋根では、一体型パネルを適切に配置することが困難です。
十分な日照時間を確保できない方角の屋根に設置すると、期待した発電量を得られない場合もあります。そのため設置前に専門業者による詳細なシミュレーションを行い、条件に合うかどうかを確認しておきましょう。
固定資産税が掛かることがある
通常の置き型パネルは「設備」とみなされるため、固定資産税の課税対象にはなりません。しかし一体型の場合は「建築物の一部」として評価されることがあるため、家屋の評価額が上がり、その分税負担が増えることがあります。
ただし固定資産税の評価基準は自治体によって異なるため、事前に市区町村の税務課に確認することが重要です。
交換時の費用が高い
通常の置き型パネルであれば、故障したパネルのみを取り換えることが可能です。しかし一体型の場合、屋根材としての機能も兼ねているため部分的な交換が難しく、屋根全体のリフォームが必要になります。
これにより屋根の修繕費や施工費も発生するため、トータルのコストが大きくなってしまいます。そのため初期投資だけでなく、長期的なメンテナンス費用も考慮して導入を検討するようにしましょう。
屋根一体型太陽光パネルのよくある疑問
ここでは、屋根一体型太陽光パネルの導入時によくある疑問についてご紹介します。
屋根一体型太陽光パネルの交換はどうやって行う?
屋根一体型太陽光パネルが劣化・故障した場合、パネル単体だけではなく周辺の屋根材や防水シートなども同時に交換が必要になるケースが多いです。そのため交換作業には屋根のリフォームと同様の工程を伴い、施工期間や費用も比較的高くなります。
またメーカーや製品の仕様によっては後継モデルと互換性がない場合があり、システム全体の更新が求められることもあります。さらに交換時には既存の配線やパワーコンディショナー(インバーター)との適合性も考慮する必要があるので、専門業者に詳細な調査を依頼して適切な交換方法を検討することが重要です。
対応ハウスメーカー以外でも導入できる?
屋根一体型太陽光パネルは、特定のハウスメーカーが開発・提供している製品が多いため、原則としてそのメーカーの住宅に適した設計になっています。
しかし対応ハウスメーカー以外の住宅でも、導入が可能な場合があります。施工できるかどうかは、屋根の形状、勾配、構造などの条件によって異なります。既存の住宅に後付けで設置する場合は、屋根の補強や防水処理が必要になることがあり、通常の太陽光パネルよりも施工コストが高くなることがあるので注意しましょう。
まとめ
屋根一体型の太陽光パネルは、見た目がスッキリとしていてデザイン性が高いのが特徴です。また軽量であることから、耐震性向上にもつながります。省エネや電気代節約の点からも人気が高まっており、ぜひ新築やリフォームでの導入を検討してみてはいかがでしょうか?